8月 09

推理小説が与えてくれたこと

私が読書を好きになるきっかけとなった推理小説があります。その本は父から薦められたものでした。一度ページをめくると止めることが出来ないほどに面白かったため、ノンストップで読んだものです。その後この推理小説の作者が書いた長編作品を読み漁ったことを昨日のように覚えています。
さてこの作品には過去から逃げるために他人に成りすまして生活をする女性が登場します。その根底には借金や一家離散という、とても重く苦しいテーマがありました。過去の自分を捨てることで全てをリセット出来ると思いきや、犯した罪や過去から逃げることが出来ず、幸せを掴みたくても掴めないもどかしさは読者にも痛いほど伝わってきました。またお金に翻弄されることの恐ろしさも同時に感じたものです。
しかしながらスリリングなストーリー展開にとても興味が湧き、その後過去を消すために整形する女性達が登場する作品を時折読むようになりました。こうした作品に出会う度に「顔」とは一体何なのだろうと考えさせられます。顔を変えて別人として生きることで、本当に未来は変えられるのでしょうか。また美しい顔になったことで一時は得をしたと思えても、忍び寄る過去が邪魔をして心から幸福を感じることの出来ない登場人物達の姿からは、考えさせられることもたくさんあるものです。何はともあれ本を読む楽しさを知るきっかけとなった推理小説は私に生きる上での様々な課題を定義してくれたと感じています。これらを永遠のテーマとして時折考えながら地に足を着けて生活してゆきたいものです。

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7月 25

大人になるということ

大人になるということはどういうことなのだろうかと漠然と考えることがあります。ある一定の年齢を迎えれば選挙権も与えられ、お酒もたばこもたしなむことが許されます。しかし大人になるということは、そんなにたやすいことではないように思えます。
今から数年前に時代小説を書く作家のエッセイを読みました。このエッセイは「男性のたしなみ」について書かれたものでしたが、女性が読んでも勉強になることがたくさん書かれていました。レストランを訪れた時の振る舞いや家族との信頼関係を築くことなど、生活していく中で出会うあらゆる場面で困らない行動や思考をこの書籍から学ぶことが出来るため、私にとっては「生きるためのテキスト」のような存在です。
そして生きていく中で押さえておきたいお作法や礼儀について読んでいるとその背景には、生きる姿勢やモチベーションが強く反映されているように思えます。そして自分自身がどうあるべきかを知る事はとても必要なことであり、自分の在り方を分かっていることこそが「大人」になるためにとても大切なことなのではないかと感じました。どんな場面でも羽目を外さず遊び楽しむこと、そして自分の行動に対して責任を持つこと大人になる第一歩なのだと思います。

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7月 12

短編小説のようなラップ

ある朝のことです。ラジオをつけてみたらノンストップで音楽を流す番組が流れていました。朝食を食べながらなんとなく聴いていたところ、ある日本語ラップに心奪われてしまいました。その曲は太陽が昇る光景を鮮明に描きながら、そのシチュエーションをスタートという言葉で表現していました。ラップのバックに流れるサウンドはとても機械的でありながらもどこか暖かかったことを今でも覚えています。そしてスタートと背中合わせにあるゴールについても歌われており、切ないながらにも一歩前へ踏み出る気持ちを美しい言葉で刻んでいた歌詞がとても印象に残っています。この朝の音楽番組では他にも同じアーティストの曲が流れて、どの歌もその歌詞の状況が鮮明に思い浮かぶようなメッセージ性の強いものばかりでした。そして彼らの曲はまるで短編小説を読んでいるような世界観を与えてくれることに気付かされました。歩いている街並みや置かれている状況、心理までもが伝わってくるラップは、想像力が膨らむと同時に作り手の心境に共感を覚えるものです。
その日の朝、たまたまつけたラジオからこんなにもいい音楽を聴けたことを、とても嬉しく思います。またいつかこんな運命的な出会いをしたいと心から願っています。

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6月 28

幸せとは永遠のテーマです

幸せとは何かと聞かれると漠然としていて答えることが難しいものです。私の友達はヨガを習っており、レッスン中に先生から生徒へ「あなたが幸せを感じる時は」という質問を受けたそうです。その時出た答えは色々なものがあったと話してくれました。大切な人達とご飯を食べている時や疲れていてよい眠りにつく夜、健康であることなど。価値観やライフスタイルなどによりその答えは様々だということが分かります。
この普遍的なテーマを題材にした書籍や映画も数多くあります。答えが一つではないからこそ誰もが自ら問いかけ続けているが故に、とても壮大で身近な題材だといえます。以前読んだある音楽家のエッセイには、学生時代に出会った男性の話が取り上げられていました。彼は大人になり公園で暮らしていたそうです。しかしながらばったり会った時の表情はとても満たされており良い顔をしていたそうです。何か大きなきっかけがあってその暮らしを選んだと言えますが、その男性が幸せであればそれでいいのではないかと書かれていました。
幸福とははで買える場合もあれば、購入できないこともたくさんあります。また自分一人で味わう至福もあれば、誰かと一緒におこなうことで心満たされることもあります。これからもこの永遠のテーマについての作品にたくさん出会いそうです。その都度、それぞれの考えを受け入れることで自分にとっての人生観が見えてくるのではないかと考えています。

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6月 13

日本文学の不朽の名作から思うこと

先日、日本文学の不朽の名作と言われている推理小説を読みました。上下巻に渡って描かれる濃厚で読み応えがある小説ですが、推理小説ならではの面白さに後押しされ日々の読書の時間が楽しみで仕方なかったことを思い出します。
主人公は重く辛い過去を背負い生きて行くなかで殺人を犯します。そして1度犯した殺人を隠すために幾つもの犯罪に手を染めてゆくのです。読み終えた時に、主人公が背負っている過去の重さを思うと、どうしたら罪から免れることができたのかを必死に考えてしまうほどでした。しかしながら主人公が背負っている過去がこの作品のテーマとなっている「宿命」でもあり、誰しもが多かれ少なかれ「宿命」を背負い生きているとされています。なぜならば辛い事や苦しいことがない人生などないからです。おそらく生き続ける限り私達は目に見えない心の中の闇の部分と闘い続けるのかもしれません。だからこそ、たくさんの人に愛される理由なのだと感じています。
また、今までに幾度となく映画やドラマとして映像化されてきました。映像化された作品では、音楽家である主人公が作曲した楽曲が流れます。この曲もまたとても素晴らしい世界観を与えてくれます。
文明が進化して新しい技術がたくさん出てきたとしても、人の心の底にあるものは変わらないものだと思うし、大切なことは変わらずにありたいと願っています。どうかこれから先もこうした素晴らしい小説や楽曲がたくさんの人に愛され語り継がれてほしいと思います。

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5月 31

小説で出会うお酒のお供

お酒のつまみと言えば、漬け物や冷ややっこのようなおかず系、またはポテトチップスやおせんべいなどのスナックなどを思い浮かべる人も多いと思います。お酒をこよなく愛する人には自分ならではのこだわりある「酒のお供」がある人も多いのではないでしょうか。
ここ数年、私のおつまみ殿堂入りはナッツです。今から数年前に読んだ小説で主人公の男性が行きつけのバーでビールとナッツを頼むシーンが数多く登場しました。その場面の描写が、とても印象に残ったため私も試してみました。もともと定番となっているコンビですが、渇いた喉にビールを流し込みながら少しずつ食べるナッツはとてもよい相性でついつい病みつきになってしまいました。
小説には食べるシーンやお酒を飲むシーンなどが数多く登場するものです。そのため作品を読んでいて味わってみたいものや作ってみたい料理などが出てくるのも読書の醍醐味だと思います。そしてビールとナッツの他にも、もう一つ潜在意識の中にいつもある食べ物があります。それはホットドックです。ハードボイルド小説に登場するバーのマスターの得意料理で、カレー粉で炒めたキャベツとソーセージをパンに挟むシンプルな調理方法なのですが、手軽で美味しそうなのでいつかは作ってみたいと考えています。
日常生活に溢れるグルメ情報もよいものですが、小説を読んでいて味わいたいと思う「食」もまた粋なものです。

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5月 16

友人と素敵な茶器の意外な出会い

先週の週末に友人の家に遊びに行きました。彼女はお料理が上手でお茶のお作法を習っており、おうちに行くといつも美味しいものがテーブルに並びます。この日は幾つかの県を超えて湧き水を汲んできたということもあり、その水で緑茶と和菓子をいただきました。ほどよい甘さの和菓子と、ふんわりした甘味と茶葉の味がしっかりと出たグリーンティーは絶妙な組み合わせでとても幸せな気分になれたものです。そして茶器もまた個性的なデザインでした。コーヒーカップのような持つところが着いており、絵柄は中華のお店などでよく見る龍が描かれていました。すっかり私も気に入ったためどこで購入したのか聞いてみると、「お店の前に無料でどうぞ」と置かれていたので、タダでもらってきたとのこと。一昔前なら見たことがある風景ですが、今でもこのようなラッキーなことに遭遇することがあるのだと驚いてしまいました。
そういえば以前読んだ節約について書かれたマンガにも、無料でお店の前などに置かれているものを活用していると書かれていたことを思い出しました。その作品の筆者もまたとても個性的で器用な方でした。そのため洋服や料理など出来ることは何でもこなすというスーパーウーマンだったことを覚えています。
この日お邪魔した私の友人もまた、手先が器用で出来ることは何でもチャレンジして楽しむハングリーさを持っています。自分の特技を生かして楽しく明るくて暮らしている人には、素敵なラッキーアイテムに出会える運も備わっているのだと感じました。

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5月 02

自由に気ままに旅すること

ポルトガル、スペインの旅行記を読みました。カラー写真と文章がよい具合に散りばめられたとても味がある書籍でした。この書籍を書いた著者は気の向くままに旅を楽しんでおり、夫婦でまったりとしたとてもよい時間を過ごしているところが印象的でした。
ポルトガルとスペインは陸続きのため車で国境を渡ることができます。旅の初めはパリの空港でトランジットをして空路でポルトガルに入り、数泊してからスペインの国境を渡りました。旅行記の中に出てくる料理はどれも美味しそうで、食べてみたくなるものばかりです。海沿いの土地ということもあり、海鮮料理のレパートリーに目を見張りました。またトマト料理のレシピの多さに驚いたものです。そしてポルトガルの人々はみんな優しく親切な人が多いようで、人との出会いも旅のよいスパイスとなっていました。
50歳過ぎた夫婦が気のみ気のまま旅を楽しむ光景は、カッコイイ大人をイメージさせるものです。形式にこだわらずに行きたいところへ出向き、食べたいものを食べることは人生を謳歌している象徴だと言えます。この本を読んだことをきっかけに私もこんな風に年を取りたいと切実に思うようになりました。そのためにも今から行動力を磨いてゆきたいものです。外国を訪れたその国ならではの楽しみ方を味わえるような自由で幅広い感性を持った人間でありたいと思いました。

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4月 18

作家のインタビューから思い出した小説

動画配信サイトを利用して過去に行われた芥川賞作家のインタビューを観ました。一つ一つのコメントに対して丁寧に言葉を発するところから、この作家の真面目な人柄が伝わってきます。また文学を子供の頃から愛し、慣れ親しんできたことがとても分かるものでした。
インタビューを聞きながら、私は今から10年程前に読んだ小説を思い出しました。悲しくもどこか滑稽な主人公から、人間というものを学びました。また人の弱さと生きる葛藤が心に強く残る名作だと感じています。そして生きることに悩んでいた私にとって、大きな励みになった作品でもありました。どんな人間であれ、生きていてもよいのだと感じたのです。それだけの強い説得力がある小説に出会ったのは初めてのことでした。あれから時が経った今でも、時より思い出すことがあります。そんな時は本棚から出して好きなページを読み返しています。
芥川賞作家もまたこの私小説作家の大ファンだと話していました。お墓参りに行くこともあると話していたことから、筋金入りのファンだと感じます。読書好きには誰しも愛する作家や忘れられない作品があるものです。そしてつまずいた時には、本を読むことで報われることも数多くあります。インタビューは読書の原点を振り返らせてくれたとても貴重なものでした。

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4月 03

推理小説にはまった小学生時代

小学生時代に夢中になったシリーズ小説がありました。それはある探偵団が主人公の推理小説です。そのシリーズを書いた小説家は今でも根強いファンを持つ、言わずと知れた作家です。少年探偵団シリーズから大人向けの甘美でどこかおどろおどろしい作品まで幅広い作品をたくさん世に残しています。
先日、部屋の書棚を整理した時のこと、小学生時代に借りたまま返していなかった文庫本を見つけました。とても分厚い本で表紙には少々怖いイラストが描かれていました。当時このシリーズの小説を食い入るように読んでいたことを懐かしく思い、もう一度読み返してみることにしました。大人になってからはどちらかというと甘美とエロスが香るこの作家の作品を気に入るようになりましたが、当時読んでいたシリーズものもとても面白かったです。思わず今からまた図書館に通い、片っ端から読みたいという衝動に駆られたものです。
小学生時代を過ぎた私の読書経歴は一度途絶えてしまいましたが、面白い推理小説に出会ったことからまた読書を楽しむようになりました。そして今でもお気に入りのジャンルの一つとして推理小説はとても大きな位置を占めています。これはもしかしると小さい頃に出会った作品の影響も多かれ少なかれあるのではないかと感じています。時には過去を振り返り自分が読んできた作品を顧みることは、これからの読書の楽しみにも繋がると切実に感じています。

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