9月 07

自問自答について考える

自問自答をいう言葉があります。この言葉が強く心に残ったのは、あるバンドが奏でる楽曲を聴いたことがきっかけでした。とても積極力のある歌詞と独特な演奏からならなるこの曲は初めて聞いた時からずっと心の中に存在し続けています。それはまるで胸を打つ短編小説を読んだような衝撃と感動を与えてくれたものでした。
この曲は都会の街で生きる男の生活の中に起こった出来事を歌っています。そして通りすがりのレストランで食事をする父と幼い娘の光景を目にして、純粋無垢な子供がこの世界で起きている闇を知らずに、ただただ笑う様子を語ります。この世で起きている悲しい現実ややるせない出来事をまだ知らない子供の姿が切なくも愛おしく、その姿からは私達大人が創り出してきたこの社会への疑問を投げかけているように感じます。そして父親に見せるその屈託のない笑顔には、希望と未来が込められているのです。
未来が明るいものなのかどうかは分かりません。しかしながら全ては私達の手の中にあり、模索しながらも切り開いてゆくものだと感じます。大人になるということは、「ずるくなること」という人もいます。だけれども目先のことだけに囚われず、今の子供達が生きる未来をイメージすること、アクションを起こすことは大人の使命だと思います。そのためには自らの生き方を問うことも必要なのです。

Posted in 自分LOVE | 自問自答について考える はコメントを受け付けていません
8月 24

職業をテーマにした短編小説

世の中には様々な職業があります。私達の身近で暮らしを支えてくれるもの、影の立役者のように表には立たないけどなくてはならいもの、自分の腕一本で何かを作る仕事など挙げたらきりがありません。本屋さんに足を運ぶと仕事を題材にした書籍もたくさん並んでいます。私も自分の知らない世界を垣間見て視野を広く持ちたいと思う時、こうした本を読むことがあります。本のページをめくると日常生活では知ることのない世界が広がっていて、読んでいるだけでも新しい価値観を気付かせてくれるものです。そんな職業について書かれた、とっておきの小説があります。それは恋愛について書かれた短編小説です。どの作品も女性が主人公で、様々な職業の男性との恋模様や出会いが描かれています。登場する男性はとても凛々しく職人気質なところが、この小説の魅力だと思います。作品も去ることながら、作者が書いた「あとがき」もまた深く心に刻まれています。それは親戚が亡くなった火葬場で出会った葬儀屋の男性について書かれたものでした。人の最後を見送る姿勢がとても真摯で温かく、死を全うから捉えているこの男性は、自らの心を込めてこの仕事をしていることが分かります。仕事とは社会に貢献するためにおこなうものだと思います。ブレない気持ちを持ちと真心を込めることはなかなか難しいことですが、それが出来る人がその道のプロになれる気がしました。

Posted in 小説LOVE | 職業をテーマにした短編小説 はコメントを受け付けていません
8月 09

推理小説が与えてくれたこと

私が読書を好きになるきっかけとなった推理小説があります。その本は父から薦められたものでした。一度ページをめくると止めることが出来ないほどに面白かったため、ノンストップで読んだものです。その後この推理小説の作者が書いた長編作品を読み漁ったことを昨日のように覚えています。
さてこの作品には過去から逃げるために他人に成りすまして生活をする女性が登場します。その根底には借金や一家離散という、とても重く苦しいテーマがありました。過去の自分を捨てることで全てをリセット出来ると思いきや、犯した罪や過去から逃げることが出来ず、幸せを掴みたくても掴めないもどかしさは読者にも痛いほど伝わってきました。またお金に翻弄されることの恐ろしさも同時に感じたものです。
しかしながらスリリングなストーリー展開にとても興味が湧き、その後過去を消すために整形する女性達が登場する作品を時折読むようになりました。こうした作品に出会う度に「顔」とは一体何なのだろうと考えさせられます。顔を変えて別人として生きることで、本当に未来は変えられるのでしょうか。また美しい顔になったことで一時は得をしたと思えても、忍び寄る過去が邪魔をして心から幸福を感じることの出来ない登場人物達の姿からは、考えさせられることもたくさんあるものです。何はともあれ本を読む楽しさを知るきっかけとなった推理小説は私に生きる上での様々な課題を定義してくれたと感じています。これらを永遠のテーマとして時折考えながら地に足を着けて生活してゆきたいものです。

Posted in 小説LOVE | 推理小説が与えてくれたこと はコメントを受け付けていません
7月 25

大人になるということ

大人になるということはどういうことなのだろうかと漠然と考えることがあります。ある一定の年齢を迎えれば選挙権も与えられ、お酒もたばこもたしなむことが許されます。しかし大人になるということは、そんなにたやすいことではないように思えます。
今から数年前に時代小説を書く作家のエッセイを読みました。このエッセイは「男性のたしなみ」について書かれたものでしたが、女性が読んでも勉強になることがたくさん書かれていました。レストランを訪れた時の振る舞いや家族との信頼関係を築くことなど、生活していく中で出会うあらゆる場面で困らない行動や思考をこの書籍から学ぶことが出来るため、私にとっては「生きるためのテキスト」のような存在です。
そして生きていく中で押さえておきたいお作法や礼儀について読んでいるとその背景には、生きる姿勢やモチベーションが強く反映されているように思えます。そして自分自身がどうあるべきかを知る事はとても必要なことであり、自分の在り方を分かっていることこそが「大人」になるためにとても大切なことなのではないかと感じました。どんな場面でも羽目を外さず遊び楽しむこと、そして自分の行動に対して責任を持つこと大人になる第一歩なのだと思います。

Posted in 自分LOVE | 大人になるということ はコメントを受け付けていません
7月 12

短編小説のようなラップ

ある朝のことです。ラジオをつけてみたらノンストップで音楽を流す番組が流れていました。朝食を食べながらなんとなく聴いていたところ、ある日本語ラップに心奪われてしまいました。その曲は太陽が昇る光景を鮮明に描きながら、そのシチュエーションをスタートという言葉で表現していました。ラップのバックに流れるサウンドはとても機械的でありながらもどこか暖かかったことを今でも覚えています。そしてスタートと背中合わせにあるゴールについても歌われており、切ないながらにも一歩前へ踏み出る気持ちを美しい言葉で刻んでいた歌詞がとても印象に残っています。この朝の音楽番組では他にも同じアーティストの曲が流れて、どの歌もその歌詞の状況が鮮明に思い浮かぶようなメッセージ性の強いものばかりでした。そして彼らの曲はまるで短編小説を読んでいるような世界観を与えてくれることに気付かされました。歩いている街並みや置かれている状況、心理までもが伝わってくるラップは、想像力が膨らむと同時に作り手の心境に共感を覚えるものです。
その日の朝、たまたまつけたラジオからこんなにもいい音楽を聴けたことを、とても嬉しく思います。またいつかこんな運命的な出会いをしたいと心から願っています。

Posted in 小説LOVE | 短編小説のようなラップ はコメントを受け付けていません
6月 28

幸せとは永遠のテーマです

幸せとは何かと聞かれると漠然としていて答えることが難しいものです。私の友達はヨガを習っており、レッスン中に先生から生徒へ「あなたが幸せを感じる時は」という質問を受けたそうです。その時出た答えは色々なものがあったと話してくれました。大切な人達とご飯を食べている時や疲れていてよい眠りにつく夜、健康であることなど。価値観やライフスタイルなどによりその答えは様々だということが分かります。
この普遍的なテーマを題材にした書籍や映画も数多くあります。答えが一つではないからこそ誰もが自ら問いかけ続けているが故に、とても壮大で身近な題材だといえます。以前読んだある音楽家のエッセイには、学生時代に出会った男性の話が取り上げられていました。彼は大人になり公園で暮らしていたそうです。しかしながらばったり会った時の表情はとても満たされており良い顔をしていたそうです。何か大きなきっかけがあってその暮らしを選んだと言えますが、その男性が幸せであればそれでいいのではないかと書かれていました。
幸福とははで買える場合もあれば、購入できないこともたくさんあります。また自分一人で味わう至福もあれば、誰かと一緒におこなうことで心満たされることもあります。これからもこの永遠のテーマについての作品にたくさん出会いそうです。その都度、それぞれの考えを受け入れることで自分にとっての人生観が見えてくるのではないかと考えています。

Posted in 自分LOVE | 幸せとは永遠のテーマです はコメントを受け付けていません
6月 13

日本文学の不朽の名作から思うこと

先日、日本文学の不朽の名作と言われている推理小説を読みました。上下巻に渡って描かれる濃厚で読み応えがある小説ですが、推理小説ならではの面白さに後押しされ日々の読書の時間が楽しみで仕方なかったことを思い出します。
主人公は重く辛い過去を背負い生きて行くなかで殺人を犯します。そして1度犯した殺人を隠すために幾つもの犯罪に手を染めてゆくのです。読み終えた時に、主人公が背負っている過去の重さを思うと、どうしたら罪から免れることができたのかを必死に考えてしまうほどでした。しかしながら主人公が背負っている過去がこの作品のテーマとなっている「宿命」でもあり、誰しもが多かれ少なかれ「宿命」を背負い生きているとされています。なぜならば辛い事や苦しいことがない人生などないからです。おそらく生き続ける限り私達は目に見えない心の中の闇の部分と闘い続けるのかもしれません。だからこそ、たくさんの人に愛される理由なのだと感じています。
また、今までに幾度となく映画やドラマとして映像化されてきました。映像化された作品では、音楽家である主人公が作曲した楽曲が流れます。この曲もまたとても素晴らしい世界観を与えてくれます。
文明が進化して新しい技術がたくさん出てきたとしても、人の心の底にあるものは変わらないものだと思うし、大切なことは変わらずにありたいと願っています。どうかこれから先もこうした素晴らしい小説や楽曲がたくさんの人に愛され語り継がれてほしいと思います。

Posted in 小説LOVE | 日本文学の不朽の名作から思うこと はコメントを受け付けていません
5月 31

小説で出会うお酒のお供

お酒のつまみと言えば、漬け物や冷ややっこのようなおかず系、またはポテトチップスやおせんべいなどのスナックなどを思い浮かべる人も多いと思います。お酒をこよなく愛する人には自分ならではのこだわりある「酒のお供」がある人も多いのではないでしょうか。
ここ数年、私のおつまみ殿堂入りはナッツです。今から数年前に読んだ小説で主人公の男性が行きつけのバーでビールとナッツを頼むシーンが数多く登場しました。その場面の描写が、とても印象に残ったため私も試してみました。もともと定番となっているコンビですが、渇いた喉にビールを流し込みながら少しずつ食べるナッツはとてもよい相性でついつい病みつきになってしまいました。
小説には食べるシーンやお酒を飲むシーンなどが数多く登場するものです。そのため作品を読んでいて味わってみたいものや作ってみたい料理などが出てくるのも読書の醍醐味だと思います。そしてビールとナッツの他にも、もう一つ潜在意識の中にいつもある食べ物があります。それはホットドックです。ハードボイルド小説に登場するバーのマスターの得意料理で、カレー粉で炒めたキャベツとソーセージをパンに挟むシンプルな調理方法なのですが、手軽で美味しそうなのでいつかは作ってみたいと考えています。
日常生活に溢れるグルメ情報もよいものですが、小説を読んでいて味わいたいと思う「食」もまた粋なものです。

Posted in 小説LOVE | 小説で出会うお酒のお供 はコメントを受け付けていません
5月 16

友人と素敵な茶器の意外な出会い

先週の週末に友人の家に遊びに行きました。彼女はお料理が上手でお茶のお作法を習っており、おうちに行くといつも美味しいものがテーブルに並びます。この日は幾つかの県を超えて湧き水を汲んできたということもあり、その水で緑茶と和菓子をいただきました。ほどよい甘さの和菓子と、ふんわりした甘味と茶葉の味がしっかりと出たグリーンティーは絶妙な組み合わせでとても幸せな気分になれたものです。そして茶器もまた個性的なデザインでした。コーヒーカップのような持つところが着いており、絵柄は中華のお店などでよく見る龍が描かれていました。すっかり私も気に入ったためどこで購入したのか聞いてみると、「お店の前に無料でどうぞ」と置かれていたので、タダでもらってきたとのこと。一昔前なら見たことがある風景ですが、今でもこのようなラッキーなことに遭遇することがあるのだと驚いてしまいました。
そういえば以前読んだ節約について書かれたマンガにも、無料でお店の前などに置かれているものを活用していると書かれていたことを思い出しました。その作品の筆者もまたとても個性的で器用な方でした。そのため洋服や料理など出来ることは何でもこなすというスーパーウーマンだったことを覚えています。
この日お邪魔した私の友人もまた、手先が器用で出来ることは何でもチャレンジして楽しむハングリーさを持っています。自分の特技を生かして楽しく明るくて暮らしている人には、素敵なラッキーアイテムに出会える運も備わっているのだと感じました。

Posted in 自分LOVE | 友人と素敵な茶器の意外な出会い はコメントを受け付けていません
5月 02

自由に気ままに旅すること

ポルトガル、スペインの旅行記を読みました。カラー写真と文章がよい具合に散りばめられたとても味がある書籍でした。この書籍を書いた著者は気の向くままに旅を楽しんでおり、夫婦でまったりとしたとてもよい時間を過ごしているところが印象的でした。
ポルトガルとスペインは陸続きのため車で国境を渡ることができます。旅の初めはパリの空港でトランジットをして空路でポルトガルに入り、数泊してからスペインの国境を渡りました。旅行記の中に出てくる料理はどれも美味しそうで、食べてみたくなるものばかりです。海沿いの土地ということもあり、海鮮料理のレパートリーに目を見張りました。またトマト料理のレシピの多さに驚いたものです。そしてポルトガルの人々はみんな優しく親切な人が多いようで、人との出会いも旅のよいスパイスとなっていました。
50歳過ぎた夫婦が気のみ気のまま旅を楽しむ光景は、カッコイイ大人をイメージさせるものです。形式にこだわらずに行きたいところへ出向き、食べたいものを食べることは人生を謳歌している象徴だと言えます。この本を読んだことをきっかけに私もこんな風に年を取りたいと切実に思うようになりました。そのためにも今から行動力を磨いてゆきたいものです。外国を訪れたその国ならではの楽しみ方を味わえるような自由で幅広い感性を持った人間でありたいと思いました。

Posted in 自分LOVE | 自由に気ままに旅すること はコメントを受け付けていません