2月 14

大人の悩む相談から得る生きるヒント

大人になったからといって悩みが無くなる訳ではありません。どちらかというと年を重ねるということは、辛酸をなめることが増えるため困難が増えてゆくものです。それは決してネガティブなことではなく、様々な経験を踏んで奥深い生き方をしている証拠だと思います。
以前から私が楽しみにしている読み物の一つに「大人のための悩み相談」があります。相談者は人間関係や仕事、自分のコンプレックスなどの葛藤を潔くさらしており、誰にでも一つや二つわだかまりがあるのだということを知ったものです。そして相談役のアドバイスがとてもユニークで説得力があり、思わず「なるほど、そういう考え方もあるのだ」と納得させてくれるところがとても魅力的です。
最初はささくれのような悩みが気付くと心の中に増幅していて、いつしかどうしようもない程に手に負えない大きさになることがあります。でも身近な家族や友達にはなかなか話すことが出来ない場合もあるものです。だからこそ第三者に相談することは、的確なアドバイスを得ることが出来ると感じます。そしてこうしたコラムを読んでいると、全てを自分の力で解決することは難しいと考えるようになりました。同時に人は決して自分だけでは生きてゆけないことを悟ったものです。誰かに弱みを見せることは強さだと感じます。そして時には頼ることも大切なのです。私も他者の意見を聞く勇気を胸にこれからも軽やかに生きてゆきたいと思います。

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1月 31

温かな余韻が残る濃厚な小説を読んで

昨晩長編小説を読み終えました。とても読み応えがあり心に響く素敵な作品だったため、今も温かい余韻に浸っています。
この作品はある男性が、数年前に交通事故で亡くなった子供と父親が乗る車で夜のドライブをしながら半生を振り返るお話です。確執があり分かり合えずにいた危篤の父も便乗しドライブは楽しくも切なく、逃げたいほどに辛い過去をやり直しながら進んでゆきます。仕事も家族関係も上手くゆかずにこの世から去りたいと願う主人公が少しずつ前向きになっていく姿からは、ささやかな希望を抱かせてくれました。
誰しも人生の分岐点がありその頃に戻りやり直しが出来るのであれば、現実は変わっているのではないかと思うこともあるのではないでしょうか。主人公は分れ道に戻りながらも、その後どんなことが起こるか知っているため戸惑いながら変わらない未来を知りつつも立ち向かいます。そこには未来を変えたいと願う気持ちと自らを変えたいという大きな意志があったように感じます。
時々1年後の今を知りたいという思いに駆られることがあります。そんな気持ちを胸に秘めつつも未来は分からないから面白いのであり、過去に戻れないからこそ今を生きる意味があると感じます。この作品から知った生きる事のもどかしさと素晴らしさは、今の私の気持ちに栄養を与えてくれました。またいつかこの小説を読み返す時がきたならば、登場人物と供に夜のドライブを楽しみたいと思います。

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1月 17

一冊の本から知る生きるということ

どこか遠くへ旅に出たいと思うことがあります。そんな思いが湧き上がる時は、今の自分に変化が欲しいという感情が頭のどこかにあるものです。
以前図書館を訪れた時にノンフィクション作家である女性が書いた作品を借りました。この書籍はアジアの国々を旅しながら、出会った人々を取材したものです。マニラやビルマなど今まであまり知ることのなかった国を知ることもできて、面白かったです。そしてとても印象に残ったことは、著者の取材や旅に対する心意気でした。マニラではスラム街と言われる地域にも足を運びそこで暮らす日本からきた男性についても取材をしています。治安があまりよくない町に足を踏み入れ、現地の人々とも心通わし仲良くなれるところは作者の才能なのだと感じます。また取材した日本人男性の生き方もすごいものでした。バブル全盛期に会社を起こすも倒産してしまい多額の借金を追い、辿り着いたところがフィリピンだったのです。現地の女性達に面倒をみてもらいながらの彼の暮らしは決して日本では経験できないものだと感じます。しなくてもいい苦労を担いでしまったように感じますが、この国の人々に魅了されたからこそ、フィリピンで生活していることを知ったものです。
今の自分に変化をもたらしたいがために借りた一冊の書籍から、見ず知らずの男女の生き方を垣間見ることができました。どこで生きたとしても、暮らしていくことは大変なのだということを身に染みた私は、また明日からもここで踏ん張ってみようと気持ちを改めたのでした。

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1月 02

甘さとほろ苦さが味わえるキャラメルを題材にした小説

甘いものを食べると心が満たされるものです。心身ともに疲れている時に、チョコレートを一かけら口に入れるだけで、行き詰っている気持ちが解き放たれることや目の前にある仕事をもう少し頑張ってみようという気持ちになった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。そんな気持ちにさせてくれるのは、チョコレートだけではありません。昔からキャンディの定番とも言えるキャラメルもその一つだと思います。
私のお気に入りの小説にはそんな美味しいお菓子を題材にした物語があります。この作品は粋なおばあちゃんでとその孫の男性の関わりを軸にしたお話しです。ガソリンスタンドでバイトをしながら生計を立てる20代の孫には心寄せる女性がおり、その人とお付き合いすることになります。しかしながら関係は上手くゆかず男性は辛い別れを経験します。そんな彼の祖母は恋愛の師範ともいえる人でいつも颯爽としていて、とにかくカッコいい女性です。そしてこの女性のカバンの中にはいつでも昔から売られているキャラメルが入っています。その箱を取り出しては一粒口に入れるのです。その姿がとても洗練されており、私もこの作品を読んだ直後はよくキャラメルを食べていたものでした。そしてこの小説は甘さの中にもビターさがあるこのキャンディと恋愛の醍醐味をとても丁寧に絡めて描かれています。
恋愛には優しさだけではなく時にはスパイスも必要なものです。甘い中にほろ苦さがあるこのお菓子を食べると思い出すこの小説は、若かりし頃のビターな恋愛を思い出させてくれるものです。そしてこの小説の主人公もまた年を重ねてキャラメルを食べた時に、辛い経験が心地よい思い出に変わる日がいつか来てほしいものだと思いました。

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12月 18

花屋といえば思い出す小説

もう半年近くも前になります。ある初夏の日に友達夫婦とその子供と博物館に行った帰りにアイスを食べるため、ある駅に降りました。ガード下には下町らしい個性的なお店が立ち並んでいたこともあり楽しい街歩きをしていたところ、多くのお客さんで賑わう花屋を見つけました。どれもとても安くて新鮮なものばかりで、見ているだけでもワクワクしたものです。その日私達はまだ蕾の芍薬を購入しました。友達の子供が両手いっぱいに芍薬を抱えている姿が愛らしくて、町行く人々のアイドルになっていたことが懐かしいです。そんな微笑ましい光景と一緒に浮かんだのは、お花屋さんで働く女性が主人公の小説です。小さな店を切り盛りする女性と一緒に暮らす塾の講師をする男性の恋愛を描いた作品です。何気ない日常生活を通して描かれた大人の恋愛は、まだ若かった私の心に新鮮に響きました。カッコいいバーも高級なレストランも出てこないけど、じっくりと育む愛と居心地がよい場所があれば幸せなのだと感じたものです。しかしながらこの小説のラストは思いがけない出来事が待ち受けており、人生とはただならないものなのだということを知るのでした。この小説のように遠かれ近かれ未来の自分に青天霹靂な出来事が起ころうとも、お花を綺麗だと感じる心や気持ちのゆとりは持ち続けていきたいと思いました。
…なんてことを急に思い出して筆を執ったのでした。

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12月 04

大きな果物を誰かと食べる幸せ

女友達が語ってくれた初めて一人暮らしをした時の話です。今からかれこれ5年位前の30歳を過ぎた蒸し暑い7月の週末に古いアパートに引っ越しをしたそうです。両親と弟、そして友達が手伝いをしてくれて人生で初めての引っ越しが終わり、みんなでお昼ご飯の準備をしていた時、父親が大きなメロンを買ってきたそうです。それはささやかな引っ越し祝いでした。まだまだ熟しておらず固かったため、柔らかくなるまで置くことにしたそうです。それから数日経った日のおやつに大きなメロンを切ることにしました。メロンが大好物なため一人占めできることにささやかな幸福を感じたそうですが、口に運んでいるうちに切なくなり涙がこぼれてしまったとのことです。それは家族で囲んだ食卓を思い出し、とても寂しくなったからだと話してくれました。
さて夏と言えばもう一つなくてはならない果物にすいかがあります。私のお気に入りの小説には、大きくてずっしり重いすいかが登場します。この作品は30歳を過ぎた女性が母と暮らす家を出て、女性だけが住む食事付きの寮のようなところで暮らす物語です。熱い夏の日にそこで暮らす女性達がみんなで黙々とすいかを食べている場面は、和やかでとても温かい気持ちになったものです。生きていると孤独を感じることや不安になることもたくさんあるけれど、誰かと大きなすいかを一緒に食べることができたら何とか生きてゆけそうな気がします。こうしたエピソードが頭に浮かぶ時、人と過ごす幸せを思うこともしばしばです。

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11月 19

おみくじから思うこと

神社やお寺のある町を訪れる時、なるべく立ち寄り参拝することにしています。先日もある大きな神社へ行きました。今まで前を通ったことは何度かありましたが、敷地内に入ったのはこれが初めてでした。参道までは幾つかの檜で出来た大きな鳥居があり、それらはとても立派でした。そして境内に近付くに連れておごそかな雰囲気を感じると供に、気持ちも落ち着いてゆくのを感じたものです。また一番始めにくぐった鳥居から10分ほど歩いて辿り着いた境内はとても立派で美しく、今まで行った神社の中でも最も記憶に残る建物だったと後になっても思い出されます。
さて、この日私は参拝後におみくじを引いてみました。そこには「現状に満足することなく向上心を忘れず生きてゆけば必ず幸せになる」と書かれていました。過去にも何度かおみくじを引いたことがありますが、こうした教訓のようなフレーズが記載されていることが多いものです。例えば「人の話に耳を傾けること」「日々目の前のことにあることに手を抜かずに取り組むこと」など、古文や仏教の説法から引用されたもの達には生きている上で心得ておきたいことが詰っていると感じます。またこうしたフレーズを通して決して自分よがりにならず、周囲に耳を傾けてみることは大切なことだと思います。未来に待っている「幸せ」を手にいれるためには、周囲の意見を柔軟に取り入れながらそこまでの過程を充実した豊かなものにしてゆきたいものです。

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11月 04

心から憧れる映画のヒロイン

私の心に強く残る憧れの女性がいます。この方は60年代の日本映画のヒロインです。初めてこの作品に出会ってから長い月日が経ちますが彼女をふと思い出す時、不思議と強いパワーが湧いてくるものです。ヒロインは気風がよくて美しく芯の強い女性です。しかしながらうだつの上がらない甲斐性なしの男性ばかりを好きになってしまうところがあり、少々危なっかしいところもあります。お金持ちやインテリジェンスな青年実業家などから心を寄せられても自分が好きになった男性を一途に愛し、その結果辛いことが起きてもそれをバネに凛と生きるところは潔くて素敵です。そしてもう一つの魅力は、大切な人達を傷付けるやから達を許さず立ち向かうところでしょうか。まさに真っ向勝負という言葉がピッタリのシーンは見ていて惚れ惚れします。また怒りが頂点に達した時、まるで般若のように見えたことも印象的でした。その表情を観た時、以前男性作家が書いたエッセイに「美人は怒らせると怖い」という内容のものがあったことを思い出したものです。この映画の監督も男性です。そのため美しい女性が怒りに満ちた時の怖さを知っているのかもしれません。しかしながら一生懸命に誰かを愛し、大切な人を守るために怒れるところからは深い優しさと人間味を感じます。だからこそこのヒロインがいつまでも私の心の中にあり続けるのだと思います。

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10月 22

新しいことにチャレンジする時に思い出したい小説

もう何年も前に読んだ戦争を題材に書かれた小説があります。戦地に赴いていた主人公は希望や信念を失い、眠り、食べ、女性と供に時間を過ごすだけの日々を送ります。そしてある朝、また戦地へと旅立つ作品です。異性と交わること、食べること、眠ることだけを繰り返す生活で得たものは何なのだろうかと感じながらも、心の真髄でもある信念を忘れたこの男にとっては、この時間が再出発するために必要なことだったと完読した後感じたものです。
その後生活や気持ちに変化が訪れると決まってこの作品を思い出し、主人公が女性と別れて出発する朝のことがふと頭に浮かぶことがあります。ただ動物のように過ごした時間を捨て、また過酷な戦地に行くことに迷いや恐れはなかったのだろうかと感じます。そしてこうしたことが脳裏に浮かぶ時は自分に起きている変化を恐れていたり、受け入れることができないときだったりするものです。でもこの小説を思い出すことで、現状に満足せずに一歩踏み出す勇気を持つことの大切さを改めて実感することも多いものです。
この作品は今から10年以上も前に出会いました。それからずっと心の中にあり、作品への想いは色褪せず今でも大切にしています。この世に生き続ける限りこの小説は私の中でささやかな希望の光として輝き続けていくでしょう。

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10月 07

演劇や映画の資料が貯蔵された図書館

先日とてもユニークな図書館に出会いました。ここは演劇や映画を専門とした資料が収納された施設です。部屋の中に一歩足を踏み入れて驚いたのは、本が一冊も並んでおらず棚に設置された小さな引き出しの中にたくさんのカードが入っていたことです。訪れた人々はそのカードを受付へ渡し、スタッフが書庫から資料を持ち出し提供するという仕組みでした。どれも紙媒体のものらしく、かなり年季の入ったものも数多くストックされているそうです。
その日受付にいた女性に気軽に声を掛けていただき、利用方法などをとても丁寧に説明してくれたことも印象深かったです。また室内の一画にある喜劇役者についての展示ブースからは、この施設の書庫にストックされている資料がいかに貴重なものかを知ることが出来ました。
私が訪れた時には2人の男性が熱心に書物に目を通しており、茶色がかった紙から歴史ある資料だということが分かりました。演劇や映画は私達の娯楽として長い年月の中で生活の中に溶け込んできました。身近にある芸術作品達のことをもっと知りたいと思う時、この施設はとても役に立つのではないかと感じます。今度ここを訪れた時には、今までの人生に影響を与えた映画やお芝居についてゆっくり勉強してみようかと思います。きっと映画や演劇をもっと好きになれる気がするからです。

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