4月 10

小説家の生き様を魅せつけられた作品

日頃から慣れ親しんで読んでいる小説を生み出す作家達について思いを巡らせてみました。そのきっかけとなったのは一冊のミステリー小説で、男と女の生き様や恋愛を描きながら物語が進んでゆきます。登場人物達は誰かを愛しつつも自らの気持ちに正直に生きようとしており、綺麗ごとでは片付けられない「人間の性」がとても興味深かったです。最も心に残ったのは物語のキーポイントとなる男性作家でした。彼にとって自らの恋愛や周囲の人間達は、なくてはならない題材なのです。自分が女性を愛しのめり込んでゆく過程も材料であり、書生と彼を取り巻く三角関係の恋愛もまた書くための題材なのです。この男性の生き方は冷静というより冷淡であり、ニヒルにも見えます。しかしながらそこまでして己が満足するものを世に残したいとする願望は、カッコよく魅力的に感じました。書生曰く「机の上だけで完結させない本物の作家」だそうです。しかしながらこの作家を取り巻く者達は、破滅への道を歩んでいるのも事実であり、切なく残酷だと感じました。私の生活の一部ともなっている小説の陰にも、すさまじい人間模様の果てに書かれた物語があるのかもしれないと思うと、非常に感慨深いものがあります。そんな背景にあることを考えると、読み手である私も全力で受け止めようと感じずにはいられません。

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3月 27

お金と向き合う事で知る本当に大切なこと

数年前から節約術や経済に関する書籍を読むようになりました。こうした作品を読むようになってからというもの「お金に関する意識」が少しずつ変わってきたことに気付きました。恐らくマネープランを経てることや日々の暮らしの中で上手に使う術をしっかりと考えることが、自らの気持ちの変化に繋がったのだと思います。
今まで読んできた中で最も記憶に残っているものは、友達から借りた本でした。この作品からは身近な生活は基より幅広い視点を持つことで、社会を巡るお金の流れを知ることを学んだものです。またこの作品を勧めてくれた友達の心意気も魅力的で私の心の中に深く刻まれています。それは懐が潤った時に大切な人に美味しい料理を振る舞いもてなすことで、自分も幸せになることを糧に生きているところです。そんな彼女の人柄を象徴するように、素敵な人達に囲まれて暮らしていることの理由を改めて伺い知ることができました。
お金は大切なものですが、それ以上に愛する人達に囲まれて暮らすことや一生懸命働く事、健康であることは貴重だと感じます。お金に関する書籍を読み知識を深めることは、自分がどんな価値観を持ち、どう生きてゆきたいかを考えさせてくれるよい時間を与えてくれるものだと思いました。

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3月 12

縁の下の力持ちとして生きる魅力

こんな人になりたいと思う目標の同性がいることは、充実した生活を送る後押しをしてくれるものです。今まで書籍や映画、身近な女性の価値観やライフスタイルに触れることで素敵だと思える方々に出会ってきました。昨日読んだ書籍に載っていたレストランを夫と営む女性もまた私にいいスパイスを与えてくれました。洗練された都会の街角で店を開くこの夫婦は料理に人生を注いできました。ある時は外国のレストランで、またある時は裕福な家庭に住み込みで働きながら料理のイロハを学びそれを日本に持ち帰り今に至ります。この女性はコックの夫を支えるためいつでも味方につき、苦楽を供にしてきたことがとても印象的でした。料理への情熱も持った夫と社交的で明るい性格が魅力な妻の二人三脚はレストランを経営する上でぴったりのコンビネーションだといえます。そしてこの人の夢についていこうと思える男性に出会えたことは、この女性にとって大きな糧になったのではないかと思いました。
華やかな舞台に立ち脚光を浴びることも一つですが、裏方に回り誰かを支えることもとても素敵な生き方です。縁の下の力持ちとして自分らしく楽しくいることができるのであれば、それは最高に素敵なチョイスなのだと感じます。いつでも笑顔が似合う朗らかな心でいるためにも誰かと寄り添い助け合うことを心に留めておきたいものです。

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3月 01

眠る前に読みたい歴史と気品が刻まれた本

夜眠る前の読書は格別です。その日どんなに疲れていても、心が静まり今ある現実から少しの時間逃避することができるのが魅力だからです。
眠りにつく前に数週間かけて少しずつ読んできた書籍があります。それはクラシックホテルについて書かれた作品です。日本各地にその土地の誰もが知る歴史が刻まれたホテルがあります。それらは戦前から営業されているものが多く、この国の変わりゆく歴史と供に歩んできたと言っても過言ではありません。戦争に関する会議が行われ、戦後にはGHQの中枢となる人々が滞在したことなどから、日本が歩んできた今までの道のりを知ることができました。また激動の時代を経て、今でも訪れる人々の心を魅了し続けていることに歴史の重みを感じたものです。
私も以前、湖のほとりにあるクラシックホテルに立ち寄ったことがあります。日本建築の美しさと風格を存分に生かした立派な建物の中にはめくるめく美が広がっていました。またレストランで食べたナポリタンがとても美味しかったことは今でもよい思い出です。
過去に起きた様々な出来事が詰め込まれた空間であるからこそこれからも建造物として、また宿として末永くあり続けてほしいと願わずにはいられません。また過酷な歴史を乗り越え、今も訪れる人々に夢を与え続けているクラシックホテルについて書かれたこの本は、疲れた私の心に光と希望を与えてくれた素敵な作品でした。

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2月 14

大人の悩む相談から得る生きるヒント

大人になったからといって悩みが無くなる訳ではありません。どちらかというと年を重ねるということは、辛酸をなめることが増えるため困難が増えてゆくものです。それは決してネガティブなことではなく、様々な経験を踏んで奥深い生き方をしている証拠だと思います。
以前から私が楽しみにしている読み物の一つに「大人のための悩み相談」があります。相談者は人間関係や仕事、自分のコンプレックスなどの葛藤を潔くさらしており、誰にでも一つや二つわだかまりがあるのだということを知ったものです。そして相談役のアドバイスがとてもユニークで説得力があり、思わず「なるほど、そういう考え方もあるのだ」と納得させてくれるところがとても魅力的です。
最初はささくれのような悩みが気付くと心の中に増幅していて、いつしかどうしようもない程に手に負えない大きさになることがあります。でも身近な家族や友達にはなかなか話すことが出来ない場合もあるものです。だからこそ第三者に相談することは、的確なアドバイスを得ることが出来ると感じます。そしてこうしたコラムを読んでいると、全てを自分の力で解決することは難しいと考えるようになりました。同時に人は決して自分だけでは生きてゆけないことを悟ったものです。誰かに弱みを見せることは強さだと感じます。そして時には頼ることも大切なのです。私も他者の意見を聞く勇気を胸にこれからも軽やかに生きてゆきたいと思います。

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1月 31

温かな余韻が残る濃厚な小説を読んで

昨晩長編小説を読み終えました。とても読み応えがあり心に響く素敵な作品だったため、今も温かい余韻に浸っています。
この作品はある男性が、数年前に交通事故で亡くなった子供と父親が乗る車で夜のドライブをしながら半生を振り返るお話です。確執があり分かり合えずにいた危篤の父も便乗しドライブは楽しくも切なく、逃げたいほどに辛い過去をやり直しながら進んでゆきます。仕事も家族関係も上手くゆかずにこの世から去りたいと願う主人公が少しずつ前向きになっていく姿からは、ささやかな希望を抱かせてくれました。
誰しも人生の分岐点がありその頃に戻りやり直しが出来るのであれば、現実は変わっているのではないかと思うこともあるのではないでしょうか。主人公は分れ道に戻りながらも、その後どんなことが起こるか知っているため戸惑いながら変わらない未来を知りつつも立ち向かいます。そこには未来を変えたいと願う気持ちと自らを変えたいという大きな意志があったように感じます。
時々1年後の今を知りたいという思いに駆られることがあります。そんな気持ちを胸に秘めつつも未来は分からないから面白いのであり、過去に戻れないからこそ今を生きる意味があると感じます。この作品から知った生きる事のもどかしさと素晴らしさは、今の私の気持ちに栄養を与えてくれました。またいつかこの小説を読み返す時がきたならば、登場人物と供に夜のドライブを楽しみたいと思います。

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1月 17

一冊の本から知る生きるということ

どこか遠くへ旅に出たいと思うことがあります。そんな思いが湧き上がる時は、今の自分に変化が欲しいという感情が頭のどこかにあるものです。
以前図書館を訪れた時にノンフィクション作家である女性が書いた作品を借りました。この書籍はアジアの国々を旅しながら、出会った人々を取材したものです。マニラやビルマなど今まであまり知ることのなかった国を知ることもできて、面白かったです。そしてとても印象に残ったことは、著者の取材や旅に対する心意気でした。マニラではスラム街と言われる地域にも足を運びそこで暮らす日本からきた男性についても取材をしています。治安があまりよくない町に足を踏み入れ、現地の人々とも心通わし仲良くなれるところは作者の才能なのだと感じます。また取材した日本人男性の生き方もすごいものでした。バブル全盛期に会社を起こすも倒産してしまい多額の借金を追い、辿り着いたところがフィリピンだったのです。現地の女性達に面倒をみてもらいながらの彼の暮らしは決して日本では経験できないものだと感じます。しなくてもいい苦労を担いでしまったように感じますが、この国の人々に魅了されたからこそ、フィリピンで生活していることを知ったものです。
今の自分に変化をもたらしたいがために借りた一冊の書籍から、見ず知らずの男女の生き方を垣間見ることができました。どこで生きたとしても、暮らしていくことは大変なのだということを身に染みた私は、また明日からもここで踏ん張ってみようと気持ちを改めたのでした。

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1月 02

甘さとほろ苦さが味わえるキャラメルを題材にした小説

甘いものを食べると心が満たされるものです。心身ともに疲れている時に、チョコレートを一かけら口に入れるだけで、行き詰っている気持ちが解き放たれることや目の前にある仕事をもう少し頑張ってみようという気持ちになった経験を持つ人も多いのではないでしょうか。そんな気持ちにさせてくれるのは、チョコレートだけではありません。昔からキャンディの定番とも言えるキャラメルもその一つだと思います。
私のお気に入りの小説にはそんな美味しいお菓子を題材にした物語があります。この作品は粋なおばあちゃんでとその孫の男性の関わりを軸にしたお話しです。ガソリンスタンドでバイトをしながら生計を立てる20代の孫には心寄せる女性がおり、その人とお付き合いすることになります。しかしながら関係は上手くゆかず男性は辛い別れを経験します。そんな彼の祖母は恋愛の師範ともいえる人でいつも颯爽としていて、とにかくカッコいい女性です。そしてこの女性のカバンの中にはいつでも昔から売られているキャラメルが入っています。その箱を取り出しては一粒口に入れるのです。その姿がとても洗練されており、私もこの作品を読んだ直後はよくキャラメルを食べていたものでした。そしてこの小説は甘さの中にもビターさがあるこのキャンディと恋愛の醍醐味をとても丁寧に絡めて描かれています。
恋愛には優しさだけではなく時にはスパイスも必要なものです。甘い中にほろ苦さがあるこのお菓子を食べると思い出すこの小説は、若かりし頃のビターな恋愛を思い出させてくれるものです。そしてこの小説の主人公もまた年を重ねてキャラメルを食べた時に、辛い経験が心地よい思い出に変わる日がいつか来てほしいものだと思いました。

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12月 18

花屋といえば思い出す小説

もう半年近くも前になります。ある初夏の日に友達夫婦とその子供と博物館に行った帰りにアイスを食べるため、ある駅に降りました。ガード下には下町らしい個性的なお店が立ち並んでいたこともあり楽しい街歩きをしていたところ、多くのお客さんで賑わう花屋を見つけました。どれもとても安くて新鮮なものばかりで、見ているだけでもワクワクしたものです。その日私達はまだ蕾の芍薬を購入しました。友達の子供が両手いっぱいに芍薬を抱えている姿が愛らしくて、町行く人々のアイドルになっていたことが懐かしいです。そんな微笑ましい光景と一緒に浮かんだのは、お花屋さんで働く女性が主人公の小説です。小さな店を切り盛りする女性と一緒に暮らす塾の講師をする男性の恋愛を描いた作品です。何気ない日常生活を通して描かれた大人の恋愛は、まだ若かった私の心に新鮮に響きました。カッコいいバーも高級なレストランも出てこないけど、じっくりと育む愛と居心地がよい場所があれば幸せなのだと感じたものです。しかしながらこの小説のラストは思いがけない出来事が待ち受けており、人生とはただならないものなのだということを知るのでした。この小説のように遠かれ近かれ未来の自分に青天霹靂な出来事が起ころうとも、お花を綺麗だと感じる心や気持ちのゆとりは持ち続けていきたいと思いました。
…なんてことを急に思い出して筆を執ったのでした。

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12月 04

大きな果物を誰かと食べる幸せ

女友達が語ってくれた初めて一人暮らしをした時の話です。今からかれこれ5年位前の30歳を過ぎた蒸し暑い7月の週末に古いアパートに引っ越しをしたそうです。両親と弟、そして友達が手伝いをしてくれて人生で初めての引っ越しが終わり、みんなでお昼ご飯の準備をしていた時、父親が大きなメロンを買ってきたそうです。それはささやかな引っ越し祝いでした。まだまだ熟しておらず固かったため、柔らかくなるまで置くことにしたそうです。それから数日経った日のおやつに大きなメロンを切ることにしました。メロンが大好物なため一人占めできることにささやかな幸福を感じたそうですが、口に運んでいるうちに切なくなり涙がこぼれてしまったとのことです。それは家族で囲んだ食卓を思い出し、とても寂しくなったからだと話してくれました。
さて夏と言えばもう一つなくてはならない果物にすいかがあります。私のお気に入りの小説には、大きくてずっしり重いすいかが登場します。この作品は30歳を過ぎた女性が母と暮らす家を出て、女性だけが住む食事付きの寮のようなところで暮らす物語です。熱い夏の日にそこで暮らす女性達がみんなで黙々とすいかを食べている場面は、和やかでとても温かい気持ちになったものです。生きていると孤独を感じることや不安になることもたくさんあるけれど、誰かと大きなすいかを一緒に食べることができたら何とか生きてゆけそうな気がします。こうしたエピソードが頭に浮かぶ時、人と過ごす幸せを思うこともしばしばです。

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