5月 20

日記形式のエッセイは心の栄養素

「ホッとする時間とは」と尋ねられたら、おうちで本を読んだり、音楽を聴いたり、何もせずにボーっとしている時間だと答えます。忙しい毎日に追われて自分の感情が流されてしまい、何をやっても上の空になってしまうのであれば、こうした一人で過ごす時間を持つことで前向きな気分になれるものです。そして甘いものを食べ、ビターなコーヒーを飲むとふっと心の荷が降りるものです。
私の部屋にはシフトチェンジするための本が何冊か棚に置かれています。無理に前向きになろうとジタバタせずに、ライフスタイルをユニークに描いた本を読むともう少しやっていけるかもと勇気付けられます。中でもお気に入りはラッパーの奥様が書いた日記形式のエッセイです。この作品は非常に面白くて不思議なパワーを与えてくれます。年が離れた夫を持つ写真家の妻が家計簿と供に書いた日記は、一筋縄ではゆかない人生をユニークにかつ丹精に表現しています。最も惹かれるところは自分の心と言葉で実直な感情を描いているところです。出産、帰省、家族との暮らしとプライベートをいい具合にさらけ出しているためか読んでいる者の心にじわりと響いてきます。どっぷりと重過ぎないところが、読みやすくていいのかもしれません。
日記は誰にも見られたくないものです。なぜなら個々の心をあからさまにさらけ出しており、何年か経ってから自分で見返しても恥ずかしくなるものだからです。そんな媒体だからこそ、愛着が湧いくのかもしれません。元気がない時はこの本を片手に、まったりして肩の力を抜いてみようと思います。

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5月 05

小説と大切な人達が教えてくれた素敵なこと

美味しいものを囲む食卓に欠かせないものは、大切な家族や友達との楽しくも密な会話だと思います。一人でゆっくりと味を噛み締めながら摂る食事もなかなか乙なものですが、ワイワイと賑やかに囲むご飯の席はとっても楽しくて心和むものです。週末にそんな有意義な時間を過ごせたら、前の週の嫌なことをさらっと流して明るい一週間のスタートを切れそうです。そんな仲間達がいることは、とても素敵で豊かな人生だと年を重ねるごとに強く感じるようになりました。
私が今まで読んだ小説には、孤独や苦行に悩む主人公が登場するものが多くありました。昭和初期の作品から現代のものまで出会ってきた文学を通して、生きるということは決して良いことばかりではないことを学んだものです。また一方で恋愛や家族、友達との強い絆を描いた小説からコミュニケーションを取ることや助け合うこと、自分の弱さを受け入れることで他者を受け入れる土俵が出来ることも学んできました。そして今美味しいものを囲み、自分の本音を話し、意見をぶつけ合いつつも分かち合える関係が暮らしの中にあることにとても幸せを感じています。こうしたことから文学から教わったことはとても有意義であり、私の人生もまた素敵なものであることを心から実感し始めています。

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4月 23

随筆家が教えてくれるおしゃれの心得

おしゃれをすると心持ちかモチベーションが上がるものです。好きな色の洋服を着たり、ネイルをしてみたり、いつもとは違うコーディネートを取り入れてみると平凡な生活が鮮やかになることを実感します。こうした暮らしの栄養補給をするためにも、ファッションに関するエッセイを読むことにしています。エッセイを選ぶ基準は、自分が好きなスタイルを持つ随筆家の作品を選ぶことでしょうか。今をあでやかに生きている人、今から数十年も前に執筆された書籍から学ぶことは多々あります。こうした作品から思うことは、おしゃれの真髄は時代に流されることなくいつまでもこの世界にあり続けているということです。またTPOに合わせたコーディネート、自分を自由にしてくれるスタイルなど今も昔も「服を楽しむこと」は変わらないということを教えてくれます。そしておしゃれの真髄を持っている人は、暮らすことを真剣に楽しもうとする心意気が備わっていることも気付かせてくれるのです。ただ着飾ることだけが美しいのではなく、自分がどうありたいかを分かった上で楽しむファッションは個々の個性をひと際引き立ててくれるものです。そこにはいつしか年齢と供に培ってきた美的センスがあることを知るようになります。「年を重ねるからこそ見えてくるものがあることを」を教えてくれるこうした作品はよきテキストとして大切にしたいものです。

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4月 10

小説家の生き様を魅せつけられた作品

日頃から慣れ親しんで読んでいる小説を生み出す作家達について思いを巡らせてみました。そのきっかけとなったのは一冊のミステリー小説で、男と女の生き様や恋愛を描きながら物語が進んでゆきます。登場人物達は誰かを愛しつつも自らの気持ちに正直に生きようとしており、綺麗ごとでは片付けられない「人間の性」がとても興味深かったです。最も心に残ったのは物語のキーポイントとなる男性作家でした。彼にとって自らの恋愛や周囲の人間達は、なくてはならない題材なのです。自分が女性を愛しのめり込んでゆく過程も材料であり、書生と彼を取り巻く三角関係の恋愛もまた書くための題材なのです。この男性の生き方は冷静というより冷淡であり、ニヒルにも見えます。しかしながらそこまでして己が満足するものを世に残したいとする願望は、カッコよく魅力的に感じました。書生曰く「机の上だけで完結させない本物の作家」だそうです。しかしながらこの作家を取り巻く者達は、破滅への道を歩んでいるのも事実であり、切なく残酷だと感じました。私の生活の一部ともなっている小説の陰にも、すさまじい人間模様の果てに書かれた物語があるのかもしれないと思うと、非常に感慨深いものがあります。そんな背景にあることを考えると、読み手である私も全力で受け止めようと感じずにはいられません。

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3月 27

お金と向き合う事で知る本当に大切なこと

数年前から節約術や経済に関する書籍を読むようになりました。こうした作品を読むようになってからというもの「お金に関する意識」が少しずつ変わってきたことに気付きました。恐らくマネープランを経てることや日々の暮らしの中で上手に使う術をしっかりと考えることが、自らの気持ちの変化に繋がったのだと思います。
今まで読んできた中で最も記憶に残っているものは、友達から借りた本でした。この作品からは身近な生活は基より幅広い視点を持つことで、社会を巡るお金の流れを知ることを学んだものです。またこの作品を勧めてくれた友達の心意気も魅力的で私の心の中に深く刻まれています。それは懐が潤った時に大切な人に美味しい料理を振る舞いもてなすことで、自分も幸せになることを糧に生きているところです。そんな彼女の人柄を象徴するように、素敵な人達に囲まれて暮らしていることの理由を改めて伺い知ることができました。
お金は大切なものですが、それ以上に愛する人達に囲まれて暮らすことや一生懸命働く事、健康であることは貴重だと感じます。お金に関する書籍を読み知識を深めることは、自分がどんな価値観を持ち、どう生きてゆきたいかを考えさせてくれるよい時間を与えてくれるものだと思いました。

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3月 12

縁の下の力持ちとして生きる魅力

こんな人になりたいと思う目標の同性がいることは、充実した生活を送る後押しをしてくれるものです。今まで書籍や映画、身近な女性の価値観やライフスタイルに触れることで素敵だと思える方々に出会ってきました。昨日読んだ書籍に載っていたレストランを夫と営む女性もまた私にいいスパイスを与えてくれました。洗練された都会の街角で店を開くこの夫婦は料理に人生を注いできました。ある時は外国のレストランで、またある時は裕福な家庭に住み込みで働きながら料理のイロハを学びそれを日本に持ち帰り今に至ります。この女性はコックの夫を支えるためいつでも味方につき、苦楽を供にしてきたことがとても印象的でした。料理への情熱も持った夫と社交的で明るい性格が魅力な妻の二人三脚はレストランを経営する上でぴったりのコンビネーションだといえます。そしてこの人の夢についていこうと思える男性に出会えたことは、この女性にとって大きな糧になったのではないかと思いました。
華やかな舞台に立ち脚光を浴びることも一つですが、裏方に回り誰かを支えることもとても素敵な生き方です。縁の下の力持ちとして自分らしく楽しくいることができるのであれば、それは最高に素敵なチョイスなのだと感じます。いつでも笑顔が似合う朗らかな心でいるためにも誰かと寄り添い助け合うことを心に留めておきたいものです。

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3月 01

眠る前に読みたい歴史と気品が刻まれた本

夜眠る前の読書は格別です。その日どんなに疲れていても、心が静まり今ある現実から少しの時間逃避することができるのが魅力だからです。
眠りにつく前に数週間かけて少しずつ読んできた書籍があります。それはクラシックホテルについて書かれた作品です。日本各地にその土地の誰もが知る歴史が刻まれたホテルがあります。それらは戦前から営業されているものが多く、この国の変わりゆく歴史と供に歩んできたと言っても過言ではありません。戦争に関する会議が行われ、戦後にはGHQの中枢となる人々が滞在したことなどから、日本が歩んできた今までの道のりを知ることができました。また激動の時代を経て、今でも訪れる人々の心を魅了し続けていることに歴史の重みを感じたものです。
私も以前、湖のほとりにあるクラシックホテルに立ち寄ったことがあります。日本建築の美しさと風格を存分に生かした立派な建物の中にはめくるめく美が広がっていました。またレストランで食べたナポリタンがとても美味しかったことは今でもよい思い出です。
過去に起きた様々な出来事が詰め込まれた空間であるからこそこれからも建造物として、また宿として末永くあり続けてほしいと願わずにはいられません。また過酷な歴史を乗り越え、今も訪れる人々に夢を与え続けているクラシックホテルについて書かれたこの本は、疲れた私の心に光と希望を与えてくれた素敵な作品でした。

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2月 14

大人の悩む相談から得る生きるヒント

大人になったからといって悩みが無くなる訳ではありません。どちらかというと年を重ねるということは、辛酸をなめることが増えるため困難が増えてゆくものです。それは決してネガティブなことではなく、様々な経験を踏んで奥深い生き方をしている証拠だと思います。
以前から私が楽しみにしている読み物の一つに「大人のための悩み相談」があります。相談者は人間関係や仕事、自分のコンプレックスなどの葛藤を潔くさらしており、誰にでも一つや二つわだかまりがあるのだということを知ったものです。そして相談役のアドバイスがとてもユニークで説得力があり、思わず「なるほど、そういう考え方もあるのだ」と納得させてくれるところがとても魅力的です。
最初はささくれのような悩みが気付くと心の中に増幅していて、いつしかどうしようもない程に手に負えない大きさになることがあります。でも身近な家族や友達にはなかなか話すことが出来ない場合もあるものです。だからこそ第三者に相談することは、的確なアドバイスを得ることが出来ると感じます。そしてこうしたコラムを読んでいると、全てを自分の力で解決することは難しいと考えるようになりました。同時に人は決して自分だけでは生きてゆけないことを悟ったものです。誰かに弱みを見せることは強さだと感じます。そして時には頼ることも大切なのです。私も他者の意見を聞く勇気を胸にこれからも軽やかに生きてゆきたいと思います。

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1月 31

温かな余韻が残る濃厚な小説を読んで

昨晩長編小説を読み終えました。とても読み応えがあり心に響く素敵な作品だったため、今も温かい余韻に浸っています。
この作品はある男性が、数年前に交通事故で亡くなった子供と父親が乗る車で夜のドライブをしながら半生を振り返るお話です。確執があり分かり合えずにいた危篤の父も便乗しドライブは楽しくも切なく、逃げたいほどに辛い過去をやり直しながら進んでゆきます。仕事も家族関係も上手くゆかずにこの世から去りたいと願う主人公が少しずつ前向きになっていく姿からは、ささやかな希望を抱かせてくれました。
誰しも人生の分岐点がありその頃に戻りやり直しが出来るのであれば、現実は変わっているのではないかと思うこともあるのではないでしょうか。主人公は分れ道に戻りながらも、その後どんなことが起こるか知っているため戸惑いながら変わらない未来を知りつつも立ち向かいます。そこには未来を変えたいと願う気持ちと自らを変えたいという大きな意志があったように感じます。
時々1年後の今を知りたいという思いに駆られることがあります。そんな気持ちを胸に秘めつつも未来は分からないから面白いのであり、過去に戻れないからこそ今を生きる意味があると感じます。この作品から知った生きる事のもどかしさと素晴らしさは、今の私の気持ちに栄養を与えてくれました。またいつかこの小説を読み返す時がきたならば、登場人物と供に夜のドライブを楽しみたいと思います。

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1月 17

一冊の本から知る生きるということ

どこか遠くへ旅に出たいと思うことがあります。そんな思いが湧き上がる時は、今の自分に変化が欲しいという感情が頭のどこかにあるものです。
以前図書館を訪れた時にノンフィクション作家である女性が書いた作品を借りました。この書籍はアジアの国々を旅しながら、出会った人々を取材したものです。マニラやビルマなど今まであまり知ることのなかった国を知ることもできて、面白かったです。そしてとても印象に残ったことは、著者の取材や旅に対する心意気でした。マニラではスラム街と言われる地域にも足を運びそこで暮らす日本からきた男性についても取材をしています。治安があまりよくない町に足を踏み入れ、現地の人々とも心通わし仲良くなれるところは作者の才能なのだと感じます。また取材した日本人男性の生き方もすごいものでした。バブル全盛期に会社を起こすも倒産してしまい多額の借金を追い、辿り着いたところがフィリピンだったのです。現地の女性達に面倒をみてもらいながらの彼の暮らしは決して日本では経験できないものだと感じます。しなくてもいい苦労を担いでしまったように感じますが、この国の人々に魅了されたからこそ、フィリピンで生活していることを知ったものです。
今の自分に変化をもたらしたいがために借りた一冊の書籍から、見ず知らずの男女の生き方を垣間見ることができました。どこで生きたとしても、暮らしていくことは大変なのだということを身に染みた私は、また明日からもここで踏ん張ってみようと気持ちを改めたのでした。

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