新しいことにチャレンジする時に思い出したい小説

もう何年も前に読んだ戦争を題材に書かれた小説があります。戦地に赴いていた主人公は希望や信念を失い、眠り、食べ、女性と供に時間を過ごすだけの日々を送ります。そしてある朝、また戦地へと旅立つ作品です。異性と交わること、食べること、眠ることだけを繰り返す生活で得たものは何なのだろうかと感じながらも、心の真髄でもある信念を忘れたこの男にとっては、この時間が再出発するために必要なことだったと完読した後感じたものです。
その後生活や気持ちに変化が訪れると決まってこの作品を思い出し、主人公が女性と別れて出発する朝のことがふと頭に浮かぶことがあります。ただ動物のように過ごした時間を捨て、また過酷な戦地に行くことに迷いや恐れはなかったのだろうかと感じます。そしてこうしたことが脳裏に浮かぶ時は自分に起きている変化を恐れていたり、受け入れることができないときだったりするものです。でもこの小説を思い出すことで、現状に満足せずに一歩踏み出す勇気を持つことの大切さを改めて実感することも多いものです。
この作品は今から10年以上も前に出会いました。それからずっと心の中にあり、作品への想いは色褪せず今でも大切にしています。この世に生き続ける限りこの小説は私の中でささやかな希望の光として輝き続けていくでしょう。

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