やっと辿り着くことが出来た街

きっかけがないとなかなか訪れることがない「場所」があります。特にそこが自分の生活圏内から離れている場合などは、用事がないと余り行くことがないような気がします。
数週間前の晴れた休日にある街を訪れました。友人とその子供と一緒に街一体で行われていたジャズフェスティバルへ行くためです。
美味しいランチも完食してライブ鑑賞のかたわら、フェスティバル会場から少し離れた大きな公園に行くことにしました。その道すがら感じたことはウィークエンドのオフィス街は人通りも少なく、それでいて洗練されていることでした。公園へのお散歩途中にお洒落なレストランとセレクトショップや美術館が入ったビルの中庭に立ち寄りジャズの演奏を聴き、ささやかな幸せを感じながら午後の時を過ごしたのでした。
いつのことだか忘れてしまいましたが、この街について書かれた雑誌を読んだことがあります。その時、「いつか散策してみたい」だと思ったのですがあれからもう何年も月日が経ち、そんな気持ちを抱いたこともすっかり忘れていました。しかしこうして訪れる機会が巡ってきて、休日を過ごしたことで「あの時」の気持ちを思い出したのでした。
都市はどんどん変化を遂げているため、私が手にした雑誌に掲載されていた記事よりも幾分変わっているかもしれません。でも歴史ある建造物や老舗店、大きくて緑豊かな公園はそこにあり続けており訪れる者によき時間を与えてくれていることを改めて知りました。行きたい場所へ大切な友達と行くこと、昔からあるものと新しい文化を肌で感じることは私の暮らしに潤いとやすらぎを与えてくれたのでした。

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