7月 20

良い出会いは人を救う

誰かに無性に腹を立ててしまうことがあります。その感情は、相手のことが好きであればあるほど複雑に絡み合ってしまうものだと思います。
数日前に読んだ小説には、やり場のない怒りを抱えながら暮らす女性が描かれていました。物語の背景には、親友と共同経営していたカフェを意見の不一致が引き金となり辞めたことが描かれています。長い間同士として切磋琢磨しながら共に営んでいたカフェがおしゃれなファッションビルに出店することをきっかけに、オーナーの座を降りざる負えなくなったのでした。無職となった女性は日々細々と暮らし、食事を切り詰め、心に浮かぶのは共に働いていたもう一人の経営者のことばかりです。どうにもできないわだかまりを抱きながらも、生きてゆくために今までの経歴とは全く違うアルバイトを始めます。そこで働くスタッフや仕事を通して少しずつ自分を取り戻しながら、親友であった女性への怒りが収まり、気持ちが安定してゆく様子が描かれていました。心の描写に触れながら「他者のことを受け入れることはまず自分を許すこと」だと感じました。この女性は自分に厳しいからこそ、他者に求めるハードルも高かったのかもしれません。しかしながら今までとは違う環境に身を置くことで、自分の気持ちをゆっくりと受け入れてゆくところにとても共感が持てました。そしてカフェで働いていた時に培ったことは、仕事にしなくても誰かを幸せにすることを知るのでした。
人との出会いは生きることに大きな影響力を与えるものです。決してよい出会いばかりではないかもしれませんが、話をしながら価値観を共有することで救われることもたくさんあります。もしこれから先、生きることに迷ってしまったら勇気を出して一歩前に踏み出てみようと思います。前進することでもたらされる出会いは、人生の大きな糧になると感じるからです。

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7月 05

文豪ゆかりの宿に泊まりたい

今は亡き文豪が愛した土地、また小説の舞台となった町に強く惹かれることがあります。その土地を知ることは長い年月に渡って読み継がれている小説を生み出した作家達がどんな人生を送ったのかを知ることにも繋がります。全てを知ることは出来ませんが、人生の一部を垣間見る事は作家への愛着をより一層深いものにすると思います。
先日知人からいただいた文芸誌を読んでいたら、とても興味深い記事を見つけました。そこには私が思いを寄せる文豪が泊まった宿が紹介されていました。老舗という言葉がふさわしい趣ある建物と、海に近いため美味しい食事をもてなしてくれる場として今でも人々に愛されている旅館でした。愛する作家が好物としていた「牛鍋」もいただくことが出来るようで、私もこの宿に泊まってみたいと強く感じました。また作家の名前が付けられたコース料理は写真からみても素晴らしく豪華で食欲をそそります。今まで小説や随筆などから様々なグルメを学んできました。この記事もまた「生涯一度は食べてみたい料理」として大切に心に刻まれたのでした。
今住む街から遠く離れたこの地を訪れる機会があれば、是非とも宿泊して美味しい料理に舌鼓したいと考えています。その時にはカバンにこの宿が舞台となった小説を忍ばせ、当時のことを思い描きながら読むのも乙だと感じました。

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6月 20

品のある女の色気に昭和は良く似合う

昭和を描いた小説を読んでいると心が和みます。そんな風に感じるようになったのは、年を重ねた証拠からもしれません。私の中では昭和とは古き良き時代で、どこか懐かしくて小説に登場する者達は苦楽を味わいながらも人情深いのが特徴です。そんなことを抱くのは私自身がこうした物語を積極的に読んできたからかもしれません。
先日読んだ小説はそんな味わい深さが凝縮された作品でした。放浪癖が消えない父は主人公の10代の女性とは別のところに住んでいます。そこへ母に頼まれてお金を持ってゆくことになったことから物語は始まります。芸者小屋や名画座などが立ち並ぶ町に住む父の元へ辿り着き、ドアを叩いたら知らない若い女が出てきました。その人は父の同棲相手ですが、とても手厚い歓迎を受けます。しかしながら当の父は嬉しい気持ちを上手く表現できずに、せっかく再会したにも関わらずその家から出て行ってしまうのです。一度は家路に着こうとしたものの、夜遅くまでその女性と供に今まで味わったことのない時を過ごします。女性の上品な色っぽさと美しい絵柄の皿に乗せられた水菓子、隣の家から聴こえる三味線の音など今まで知らなかった大人の世界を知ります。
この作品を読んでいると私もこんな色気と魅力あふれる出会いをし、粋な時間を過ごしてみたいと感じました。親との複雑な関係は心痛むところもありますが、10代の若者にとってこの出会いはとても大きなものになったと思います。そして昭和というスパイスはより一層小説の魅力を掻き立てたのでした。

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6月 06

おしゃれの極意を学びながら生きたい

腕にたくさん付けたブレスレットがジャラジャラと揺れる音が好きです。ブレスレットが大きくてたくさんあればあるほど共鳴してよい音になります。こんな風に思う理由は女性らしさを感じるからかもしれません。それらが派手でカラフルで奇抜なデザインなら尚更私の心は魅了されるのです。
さて先日ファッションアイコンとしてアメリカで人気がある94歳の女性のドキュメンタリー映画を観ました。この作品の主人公の服装は派手で独特のセンスを醸し出しており、とてもおしゃれなのです。また腕や胸にたくさんのアクセサリーを纏っておりどれも大振りで目にしたことのないものばかりでした。また彼女が持っているファッションアイテムは高級ブランドのものもありますが、骨董市やフリーマーケット、若者向けの店で安い商品を購入することも多いのに驚きました。ただ買うことを目的としているのではなく、購入したアイテムをコーディネートしてファッションを楽しんでいるところに好感が持てました。そして「おしゃれを楽しみたい」という願望を私の心の底から湧き上がらせてくれました。しかしながらどんなに洋服が好きで欲しいものがたくさんあっても、お財布の限度額は限られているため物欲と現実のギャップにもがくことも経験してきました。でも自分に見合った経済力でファッションを楽しむことは幾らでも出来るはずです。映画の主人公は現役でお仕事をされており知名度もあるため洋服やアクセサリーにたくさんのお金を掛けることができると思いますが、彼女の買い物術からは安いものと高価なものを上手にゲットすることを学ぶことができます。おしゃれ上手になるための極意として、自分に似合う物を選ぶこと、金額に左右されずに逸品を探す目を持つことが必要だと強く感じました。年齢を重ねてもずっと好きな服を着てゆきたいからこそ、学ぶことはまだまだたくさんあることをこの作品は気付かせてくれたのでした。

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5月 22

また食したい老舗甘味処の粟ぜんざい

ある初冬の週末に由緒溢れる街にある甘味処を訪れました。昔から文豪達にも愛されてきた店で、一度はここの和菓子を食べたいと思っておりました。立ち寄ったのはたしか金曜日の夕方だったと記憶しております。老若男女問わず様々な年齢層の人々が、ぜんざいやあんみつを食べていたことが思い出されます。私は冬季限定の粟ぜんざいをお持ち帰りで購入して家路に着いたのでした。レンジで温めて夕飯のデザートとしていただいたところ、大変美味しくてとても幸せな気分になったことを覚えています。粟のもっちりとした食感と、甘すぎずでも濃厚なこしあんは外の寒さを忘れさせてくれるように体を暖めてくれました。
なぜ今この店のことを思い出したかというと、先日読んだ短編小説に登場していたからです。昭和を舞台にした作品に、あの店のあんみつが奥深い趣を与えていました。今までこの作品の著者が手掛ける小説を幾つか読んできましたが、どれも粋で大人の色気を感じるものが多く、まだまだ未熟者の私はいつも「こんな生き方があるのか」といい勉強をさせていただいております。そのため勝手ながら著者へ心からの憧れを抱いているのです。また足を運んだことがある店が小説に登場することで、作品がより身近に感じられるのも嬉しいものです。そしてあの初冬に食べた粟ぜんざいが恋しくなり、今無性に欲しております。
いつかまた粟ぜんざいに再会することができる日を胸に、これからもたくさんの小説を読んでいきたいと思います。同時に美味しいものを貪欲に追及していこうとささやかな欲望を抱いているのでした。

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5月 08

地下鉄に乗りながら読みたい本

ファッション雑誌に載っていたとても面白い記事を見つけました。それは「地下鉄で読みたい本」を紹介したものでした。ファッションブランドのエディター、小説家、芸人、ミュージシャンなどが「これ」という一冊を挙げており、どれも至極のチョイスだったように感じます。また何故この本を紹介したかの解説も書かれており、「この気持ち分かるかも」と思ったのでした。
例えば海外の作家が書いたSF小説です。シニカルでユニークな作品らしく外が見えない閉ざされた空間を走る電車にぴったりの作品のように感じました。小説の紹介文を読んでいたら私も無性にこの本の世界に浸りたくなりました。またある人は電車に乗っていた時に小学生の女の子が食い入るように読んでいた児童書を挙げていました。私も小さい頃に図書館で借りたことがある物語だったので、とても懐かしく思ったものです。
電車で本を読むことは多々あるものですが、走る空間によって作品を変えるという意識は持ったことがありませんでした。そのためこの記事はとてもユニークで斬新だと感じました。
都心部にはとにかくたくさんの路線が走っています。特に地下鉄は土の中に存在するまるで小宇宙のようなイメージがぴったりだと感じます。外の風景を見ることができないためどこを走っているのか分からないけれど、目的地には必ず辿り着く乗り物である地下鉄。今後乗る機会があれば私もSF小説を片手に物語の世界をじっくりと味わいたいと思います。

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4月 23

小説にも登場する象という動物

動物園に行くと私は決まって象がいる檻へ向かいます。何故だか分からないけど大きな体と長い鼻とグレーのボディに心惹かれるからです。でも最も好きな所はあのつぶらな瞳かもしれません。あの巨体に似合わない位に小さくて愛嬌ある目を見ているととても気持ちが落ち着くのです。そして長い鼻で美味しそうに食事をするところもまた魅力的だと感じます。あんなに強そうなのに草食というところは一段と愛おしさを与えてくれるたりもします。
今まで読んできた小説にも幾度か象が登場してきました。戦時中の動物園を描いた悲しいお話であったり、SF小説に描かれた架空の街の公園にいる設定であったりもしました。これらの作品で優しくて人の心に寄り添うように描かれていたことを感慨深く思います。特に公園の滑り台として登場した小説では誰も知らないうちにそこからいなくなっていたエピソードが語られており、「像の墓場」へ向かったと表現されていました。この作品を読んだ時切ない気持ちになりましたが、ひっそりと姿を消して自分が向かうべき場所へ足を進める生き方が素敵だと感じたものです。
物語に登場して色々なエピソードを披露してきた象ですが、彼らがどんなことを考えて生きているかは分かりません。でも巨体を揺らしながらのんびり歩く姿は、忙しなさに憤りを感じ、理不尽なことに振り回されることを余儀なくされる人間にとって、安らぎと優しさを与えるのかもしれません。動物園に行くことがあればまた彼らがいる檻の前に立ち、ゆったりとし佇まいをじっくりと眺め続けたいと思うのでした。

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4月 09

もうすぐ暮れていく空

先日の休みの日、朝のワンコのお散歩以外は一歩も外に出ることなく読書三昧で過ごしてしまいました。「あぁ、もうすぐ一日が終わるな」って思ってふと窓から外を眺めたら、低い空には白く光に照らされた雲と薄い水色の空が見えました。その白い光はやがてオレンジへと色を変えていくんだなって思いながら見ていたら、なぜか懐かしい気持ちになったんです。もうすぐ暮れていくこの空、いつかも見ていたような……。どこで見たんだろう。きっと思い出さないだろうと根拠なく思っていたのに、ふと思いついたんです。ずっと前に行った信州のペンションから見た空に似てるって。そうこうしているうちにみるみる下の方からオレンジ色に輝き出しました。そして、その移り変わりを眺めていたら、ある小説を思い出しだんです。暮れて行く空が出て来る物語ではありません。なぜだろう。ほとんど見えないくらい細い記憶の糸をたぐっていたら、ペンションの廊下やダイニングが見えてきました。そして廊下に置いてあった本棚も。そうなんです。ペンションに置いてあった小説です。夕日が本棚に差し込んでいたその光景を思い出しました。そうそう、友人とそれぞれが好きな本を部屋に持って行って夜の時間を過ごしたっけ。なんだか急に外に出たくなった私は「キャンディ、お散歩に行こうか」とワンコに声を掛けました。

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3月 28

人にはそれぞれ生きてきたドラマがある

人の数だけドラマがあると思います。それは決して素敵なことばかりではなくて、時には辛かく壮絶なものでもあります。出来れば苦しいことは避けて通りたいものですが、そうはさせてくれないのがまた人生だと感じるのです。そんなことを思ったのは先日読んだ女性作家のライフスタイルについて記された本がきっかけでした。もう何十年も前に飛行機事故で亡くなられた方ですが、今でも小説が原作となったドラマが放映され、映画が公開されています。
先日読んだ書籍には、小説家としてまた脚本家として華やかな活躍をしていたことが書かれており、お洒落で凛とした女性だったことが手に取るように分かりました。そしてこの本の最後には「歩み」として西暦と年齢とその時々の出来事が書かかれていました。西暦は生まれた時から始まり、学生時代、出版社への就職、作家としての活躍、そして病に冒されていた時代があったことを知りました。たくさんの作品を世に送り出し、積極的に海外へ旅行して充実した道を歩んでいたと思っていた私にとって病気のことは驚きでした。重い病気と向き合った時代がありがらも楽しむことを謳歌していたことを尊敬すると供に、自分も充実した年の取り方をしたいと思ったのでした。51歳という若さで不慮の事故で亡くなられましたが、こうした書籍に出会うことで、いつまでも美しくカッコイイ女性として私の心の中で生き続けています。

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3月 13

朝焼けに向かって

先日、いつもよりかなり早くワンコのお散歩に行きました。その日は私が早朝に出かけなきゃいけなかったので、ワンコのせいではありません。外に出てみて、まずビックリしたのが、空にはまだお月さまが見えてたってこと。それも、まん丸で眩しいくらいの明るさだったんです。思わずワンコの足を止めてしまうほどでした。そして、もうひとつ、東の低い空がオレンジがかったピンク色に染まっていたんです。朝焼けです。夕方のお散歩の時と今のこの景色は同じだなって思いました。でも、方向は逆です。夕焼けは西の空ですもの。遠くから鳥の鳴き声も聞こえてきて、とても清々しい朝でした。こんな風に朝焼けを見たことって初めてかもしれません。そういえば、いつか読んだ小説で、主人公が朝焼けに向かって歩いていく場面があったけど、その時、私はあまりイメージができませんでした。自分の中ではなんとなく夕焼けを思い浮かべていたかもしれません。けど、その時「こんな風景の中を主人公は歩いていったのかな」って思ったんです。仕方なく出かけた早朝のお散歩だったけど、なんだかすごく得したような気分になりました。そんなだから、急いでたはずなのに、ちょっとゆっくり時間を掛け過ぎてしまいました。「大変!」と慌てて家に向かって走り出した私と一緒に、ワンコも嬉しそうに走り出しました。

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