ブレない心で他者と接すること

「悪いこと」とは一体どんなことなのでしょう。罪を犯すことや他者を傷つけること、自分を傷つけることなど、色々な視点から考えることができます。
先日読んだ小説にはとても興味深いことが書かれていました。それは噂や耳にした会話から、その人の存在を勝手に決めつけることでした。こうした観念はいとも簡単に深い心の傷を負わせることができるのです。私達は神様ではないため「好き嫌い」の感情は存在するものです。それは生理的であったり何かの出来事が引き金になったりと様々なパターンから沸き起こるものだと思います。しかしながら自分の気持ちではなく他者から聞いたことで勝手に思い込んでしまい、あたかも「悪」だと決めつけてしまうことはとても恐ろしいことだと思います。
この作品の主人公は学生時代にこうした経験に遭遇したことで、内面に大きな変化があったと話します。その逆境から得たプラスなことは他者を見る目ができ、よい友達を持つことができたことでした。その一方で幸せな日常はもろくも簡単に第三者の言動で崩れることも知ったと言うのです。そして時折夢に当時のことが出てきてうなされることもあると語っていました。若い頃の一つの経験がそれほどまでに、影響を及ぼすことを改めて知ったと同時に自分の言動についても深く考えさせられました。自分のブレない視点を持つこと、誰かの発した一言でゆるぐことなく自らの心で人との関係を築くことの大切さを改めて知ったのでした。

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