今まで読んできた恋愛小説の中で最も心惹かれた一冊。それは青春真っ只中の高校生が主人公の作品でした。自ら手にしたいことのために心を燃やし、全力投球で走りきるような勢いと潔さが胸を打つ小説で、馳走感を目一杯感じることができた物語でした。また主人公の男性はいわゆる不良と呼ばれる高校生ですが、一本筋の通った男らしさと優しさは素晴らしき人間的な魅力を醸し出していました。
この物語は育った環境の違う男女が親や周囲の反対に向き合いながらも、お互いの恋愛を貫くストーリーで、決して悲恋で終わらせることなく強く明るく描かれるバイタリティーと純粋に愛を信じる強い信念に、思わず「あっぱれ」という感想を抱きました。周囲からの目は幾らだってネガティブに捉えることができそうですが、それを跳ね返すがごとく心に秘められた原動力に底知れぬパワーを感じたのでした。そんな強いインパクトが私の心を突き動かしたこともあり、ずっと胸の奥で大切にしながらも時々思い出しては、この物語のように「馳走感溢れる人生を走り抜きたい」と考えることもしばしばです。実行することは難しくもありますが、こうした目標を掲げて挑戦することは張り合いがあってよいものだと感じます。そして曲がることのない強い心髄と大切な者を守る優しさを持ち続けたいと、強く思うのでした。
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