嫌な事があっても笑い飛ばせる力があるって素敵だと思います。笑うことで今日あったことをチャラにしてまた明日から新しい気持ちで生きてゆけるようなモチベーションを維持することも一つの特技だからです。なるべく心のわだかまりはその日のうちに消し去って新しい風を吹かせるような生き方をしたいと考えています。
今読んでいる小説は、そんな清々しい風を感じさせてくれる物語です。突然の恋人との別れを機に16歳の頃に出た故郷へ帰り食堂を営むヒロインの女性は、若いながらにも苦節を味わってきました。そんな過去がありながらも明るい未来を見据えて自分のやりたいことに向かって生きる姿は美しくて胸にグッとくるものです。恋人も家具もお金も大切な親族も失って声が出なくなってしまいましたが、人とコミュニケーションをとることを忘れない気持ちは優しさと温かさを感じるのです。この小説を読んでいると「何があっても他者との繋がりを忘れてはいけない」と改めて実感します。
殺伐とした暮らしをしていると、温かさに触れることを忘れてしまいがちです。気が付くと自分は一人で生きてきたと勘違いをしている自分がいることもあります。でもふと誰かと会話をして笑うことで救われることも多々あるものです。この小説に出てくる女性のように、他者とコミュニケーションを取ろうとする心意気はいつしか自分に明るい光をもたらすのではないかと思うのです。その光はいつしか悲しみから笑みへと導いてくれるものだと確信しています。
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