評論から垣間見たのは男女の思考回路の違い

小説の評論について書かれた本を読みました。購入のきっかけは表紙に書かれた女の子の絵が可愛くてポップでセンスが良かったからです。言うなればレコードでいうジャケ買いをしたのでした。読み始めるとけっこう辛辣な目線で評論しており、紹介されている作品は幅広いラインナップになっておりました。昭和初期の純文学から現代のライトノベルまでが網羅されていて、文学の歴史を紐解くことができる内容はとても魅力的でした。また今まで読んだことのない作家を知り、まだ見ぬ新しい小説に出会えたことに感謝しています。
さてこの書籍を通して様々な小説の主人公を垣間見て感じたことは「男は夢追い人であり、女は目の前のことを見据える現実主義者」ということでした。男性作家が描くものには「俺はこんなものでは終わらない。誰も真似できないことをやってやる」というささやかな野望を抱いた人物が登場するものが目立ち、女性小説家は「現実を捉えながらも情熱と冷静さを持ちながらしたたかに進む人生」を描いた作品が多々あるように思われました。この発見を通して男女の思考回路の大きな違いをまじまじと感じました。今まであまり考えたことがなかったことへの気付きは、新たな視点で文学を楽しむ術を与えてくれたように思います。著者の鋭い視点で描かれた評論は、面白いだけではなく読書のまた違った側面を教えてくれたのでした。

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