12月 05

クリスマスの話

12月になり数日が過ぎたばかりですが、街の雰囲気はクリスマス一色ですね。
まぁ、12月どころか、ハロウィンが終わってすぐの11月1日から世の中はクリスマス商戦へと向かっていたように思いますが。
宗教観が混沌としている日本ならではの景色かと思いますが、冬の町中に流れるクリスマスソングやデコレーションは幾つになってもワクワクするものです。

そんなときふと思いました。

クリスマスに関する絵本や書物でが外国が題材になっているのが当たり前のことではありますが、日本のクリスマスが題材の小説はあったかなと。
過去に読んだかもしれませんが、とんと思いませんでしたので調べてみました。

そうして、太宰治が「メリイクリスマス」という短編小説を書いていたことを恥ずかしながら初めて知り、読んでみました。

戦後すぐの冬の東京の話で、主人公の男が師走の巷の空気のなか、映画を見たり、本屋に入ったりする冒頭の空気感がとても気に入りました。なんとなく私も、休みの日に同じことをしてみようかなと思うような気持にもなります。

ただ、クリスマスという言葉が出てくるのは本当に最後の最後で、酔っ払いがアメリカの兵隊におどけた様子でメリイクリスマスと声をかけただけでした。

冒頭で主人公が「この都会は相変らずです。馬鹿は死ななきゃ、なおらないというような感じです。もう少し、変ってくれてもよい、いや、変るべきだとさえ思われました。」と故郷のとある人に便りを出しているのですが、その酔っ払いの様子を見て最後に、「東京は相変らず。以前と少しも変らない。」と締めるのです。

戦後に元気を失わない東京、というよりかはその阿呆さに呆れて見下している主人公らしい結び。
太宰治の作品は今までいろいろと読んできましたが、それに共通した「太宰の描く男」らしさを感じましたね。

青空文庫で気軽に読めるので是非読んでみてください。

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11月 08

国立民俗博物館

先日大阪に行く機会があったので、ずっと行きたいと思っていた民俗博物館に行ってまいりました。

そう、あの岡本太郎の太陽の塔がある場所です。

太陽の塔も写真や映像で見るよりもだいぶ迫力があるというか、近くに立つと遠近感覚がおかしくなるような、くらくらするような感覚に陥り、それがなんとも言えない魅力を感じましたね。

今回は事前に予約などをしていなかったので塔の中にまでは入っていないのですが、次回は是非見て見たいです。

さて、本題の民俗博物館の方ですが、これがまた広くて広くて。

通常展示を全部を見て回ってしっかりキャプションを読んで、特別展に行って……としていると、とてもじゃありませんが1日じゃ足りそうにありません(笑)

今回初めて見に行って気に入った民俗博物館の理念のようなものがあるのですが、「こうして歴史的展示が集められた本館も、未来では遺跡の一つになるだろう(意訳)」というもので、そんなことを考えて博物館を建立するという考えが今までなかったので感心してしまいましたね。

展示の方も、それぞれの研究分野の方の熱意がこれでもかと言うほど詰め込まれており、もっと一つ一つ見ていきたかったのですが、時間の関係もあり早足になってしまったのが悔やまれます。

時間がない中、漫画のゴールデンカムイが好きだったこともありアイヌ文化のエリアを重点的に見て回りました。

漫画の中で出てきた道具や衣装などが実際に見ることができたのも嬉しかったですが、中でも学芸員さんが展示のために文化を学び作った帯や刺繍、それを作るに至ったエピソードの動画などを見ていると、文化や歴史の継承にじかに触れることができたようでなんだか尊い気持ちになりましたね。

また、アイヌの楽器の展示もあったのですが、その中にアンプなどをつないで現代的にカスタマイズされたものがあり、製作者の方はこれを展示に並べるのはどうだろう……と一度考えたそうですが、ここにそれが並ぶことさえも文化になればいいという考え方に、先程の民俗博物館の理念に近しいようなものを覚え、またまた感服してしまいました。

博物館や美術展に行く度に新しい知識や世界に触れることができるのは本当に嬉しいことだなと改めて感じた一日でした。

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10月 01

哀愁しんでれら

先日、動画配信サイトで「哀愁しんでれら」という映画を見ました。
この哀愁しんでれらですが、原作小説があるのかなと思ったら、カルチュア・エンタテインメントと蔦屋書店が主催する次世代のクリエイター発掘のための「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016」というコンペででグランプリを獲得した企画を基に映画化したとのことです。
原作があって、それが映画化されるのが最近は多い印象なので、オリジナル映画いいですね。
内容は、主人公小春が一生分の不幸が一気に来たと思えるほどひどい目にあって、途方にくれていたところ、開業医である大悟が線路に倒れており、それを救出する。
その縁から、小春はまるでシンデレラのように不幸のどん底から幸せの絶頂へ向かっていく。
大悟は心優しく、8歳の娘ひかりを愛し育てるシングルファザーだった。
小春は大悟、ひかるともに好かれ、大悟と結婚をするが……。
しかし小春は後に、社会を震撼させる凶悪事件を起こすことになったのであった。

本当は怖いグリム童話みたいなお話でした。
最初は楽しく見ていたんですけど、なかなか攻めた内容でしたね。
面白かったですが、後味が悪いタイプの映画でした。

こちらの映画を原案に、『暗黒女子』ので有名な秋吉理香子さんが哀愁しんでれらの小説を執筆されています。
タイトルは「哀愁しんでれら もう一人のシンデレラ」となっていて、映画とは少し内容が異なるようです。
気になるから読んでみようかな。

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8月 19

ビジュアル・シンカー

最近「ビジュアル・シンカーの脳」という本と出会い、物事を視覚的要素、つまり映像や絵で処理をする人間と、言語が優位で全て文字や言葉で処理をする人間がいることを知りました。

こういうと堅苦しく感じますが、例えば、お買い物のメモを渡されたときに脳内でスーパーの店内や買い物のルート、自分が買い物をしている様子を思い浮かべるタイプの人は前者。言葉そのものを記憶したり、文字を思い浮かべる人は後者だそうです。

前者はビジュアル・シンカーと呼ばれ、絵を描くなどの処理や表現が得意であり、逆に言語化が苦手な傾向にあります。後者は言語化が得意で、感想を述べたり討論をするのが得意である反対に、絵画や美術品を見た時の感性が薄いようです。

この話を知った時、私はゴリゴリのビジュアル・シンカーだな、と感じました。

本を読むのは好きなのに、感想を言おうと思うと、「なんで」面白かったか、の「なんで」や「どういう所がどういう理由で」といった部分が上手く説明できないのです。

子供の頃は読書感想文でだいぶ苦しんだ覚えがあります(笑)

あらすじやまとめのような文章の後に、「楽しかったです」「面白かったです」のような細やかな感想を述べるのが精いっぱい。

なので、感想を述べることができる人を尊敬しているのですが、それを言うと「考えていないだけ」と言われるのですが、それがどうも納得いきませんでした。

そんな経験が何度もあったのでビジュアル・シンカーという分類に出会って、「あ、ただ自分が頭悪いだけじゃなかったんだ!」とほっとした気持ちになりました(笑)

なお言語化が得意な人の話を聞いたところ、彼らは逆に絵や図形で表現・思考するのが非常に苦手だとのこと。絵を自由に書くような課題がトラウマになってるだとか、数学の授業では空間図形になると途端に分からなくなってしまうとのこと。逆に私は図形・空間図形などの問題は大得意です(笑)

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7月 12

〇〇だったら××が足りない

最近ふと特に何かを食べたわけではないのに口の中が甘いな?と感じました。

何だろうと思って調べてみると、亜鉛不足やホルモンバランスの乱れが原因だそうです。(ケトン血性低血糖症や糖尿病の可能性もあるみたいですが私は当てはまらなさそうだったので除外してます)

確かに最近食生活がボロボロだったので、そういうことか~と納得しました。

今回みたいに〇〇だったら何かが足りてない、という話って結構ありますよね。

例えば氷が食べたくなったら鉄分不足だとか、甘いものが欲しくなったらエネルギー不足だとか。

他には、

・チョコレートが食べたいときはマグネシウム不足
・しょっぱいものが食べたいときはミネラル不足
・脂っこいものを食べたいときはカリウム不足
・酸っぱいものが食べたいときは疲労の蓄積
・辛いものが食べたいときはストレスを感じているとき

などだそうです。

無性に何かが食べたいと思ったときは、それが食べたくてなっているのではなくて何かしら体調が崩れているということなんですね。

これを知ってるだけで自分で栄養の調整ができるので良い指標になりますね。これからはこれを意識して食事をとるように心がけようと思います。

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6月 05

芒種

本日6月5日は丁度、二十四節気の「芒種(ぼうしゅ)」に入るそうです。ふとカレンダーを見て目に留まった言葉ですが、普段の生活の中では二十四節気なんて気にしませんし、どういうものか全く知らないなと思い調べてみました。

芒種とは夏至の一つ前の節気のこと。基本的には5日か6日になるのですが、十数年後には4日になることもあるようですし、1935年までには6月7日もありました。

芒種は「芒(のぎ[イネ科の穂先のとげ状の突起のこと])がある穀物の種をまく時期」という意味。二十四節気は中国から伝来したものですが、当時の人たちはこの時期に稲や粟の種を田畑に蒔いていたそうです。

現在での稲作は苗を田畑に植えるのが一般的なので、現在では種まきの時期ではなく、田植えの時期の目安となっています。

なお、二十四節気の中でさらに約5日ずつの3期間に分かれた七十二侯とさらに細かく区分されたものもありました。

この七十二侯の方は中国由来のものから更に日本の気候風土に合うように江戸時代から何度か改訂がされており、現在は明治期に改訂されたものが使われているそうです。

俳句の季語として今も使われていますし、もしかしたら詩や小説でも出てくるかもしれないですね。

こうして普段使わなさそうなことでも、ふいに目の前に現れた時に「あ、これ知ってる」となった瞬間がとても楽しいので、雑学を身につけていくのは有意義だなぁと思う夕方でした。

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5月 10

梅雨の咳

5月から6月の季節の変わり目や梅雨の時期になると、毎年咳に悩まされます。

コロナが大々的には報じられなくなったとはいえ、まだまだ感染者もいますし、外出先で咳が出てしまったときはとても気を遣います。

熱や風邪といった症状はないものの、朝起きた時や夜に咳が酷くなって、眠れないこともしばしば……

調べてみると、この時期になると咳の患者が増えるらしく、梅雨の低気圧のために咳が起き、喘息の患者さんもやはりこの時期は症状が悪化するのだとか。

その他にも花粉や麦刈りなどで、季節ごとのアレルギー物質の吸引が原因になることもあるそうです。

また、カビが原因である可能性もあるとも。確かに、梅雨の時期はカビが増える時期でもありますし、知らず知らず吸引してるかも……と思うとゾッとします。

これから本格的に梅雨になると換気もしづらいし、今のうちに部屋の中を清潔にしておくべきですね……

私自身は喘息もちではないという自覚だったのですが、色々調べていると咳喘息の可能性もあるだなんて見えるので、早めに呼吸器科に行くべきかな……と思ってきました。

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4月 03

さくら餅?道明寺?

読書中の合間のティータイム。
これも読書のひとつの楽しみだったりします。
だいたい美味しいお茶となにかひとつお菓子をセットにするんですけど、お茶かお菓子のどちらかは季節のものだと嬉しかったりします。
春といえばやっぱり桜ですよね。
桜フレーバーのお茶や、桜を使ったお菓子が期間限定でいろいろなところで販売されますよね。パッケージも見た目も春らしく、季節ものとしては一番好きかもしれません。
わたしは、オーソドックスで古典的ですがさくら餅が好きです。
ピンク色のおもちと、少し塩っ気のある桜の葉っぱ。口にいれると、ふんわりと香る春の匂い。最高です。
ちなみにさくら餅って2種類あるの知っていましたか?
小麦粉や米粉を薄く焼いたものと、道明寺粉を使ったものがあります。
前者が関東風で後者が関西風だそうです。
わたしは道明寺なんて呼ばれているさくら餅があるのを知らなくて、ある日スーパーでさくら餅が売ってるなと思って手に取ろうとしたら「道明寺」と書かれていて「???」となったことがあります。
どう見てもさくら餅じゃない?あ、でもなんかさくら餅よりゴテゴテしてるなって。
それで知らべたら関東風と関西風で二種類あることを知りました。
どちらも食べてみましたが、どちらも美味しくてどっちがいいっていうのは選べませんでした笑
ちなみに今手元にあるのは道明寺のほうです。いただくのが楽しみです!

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3月 06

国が書店を支援?

学校の帰りなど、ふらりと本屋さんに立ち寄って面白そうな本を買って読むのが好きでした。

しかしkindleやインターネットでのショッピングが便利になるにつれ、そんな本屋さんもどんどん姿を消していっています。

かくいう私も、外に出るのが億劫な時はすぐにネットで買い物をしてしまうのですが……。

そんな本屋さんの状況を救うべく、先日5日、経済産業省が書店振興に専門的に取り組むプロジェクトチームを設置したというニュースを見ました。

……見ました、が……。まず、その売り文句に引っかかってしまって一瞬思考が停止しました。

「売れる本屋のコツ教えます」

うーんと……?いや、本屋さんが売れるようになるのは悪いことじゃないんですが、言い方……というか、経済産業省の皆様は本屋さんを経営したノウハウがおありで「コツ」という言葉を使ったんですかね……?

近年激減している書店を盛り上げるという目標自体は悪いものではないと思うのですが、初見の印象が良くなくて政策に関してちょっと不安な気持ちがぬぐえません。

なお内容については、イベントの開催やカフェスペースの併設などが予定されているようです。現在でもブックカフェなどがあるのでそういう感じになるのでしょうか。

何はともあれ「書店」というものが大事にされてくれると嬉しいですね。

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1月 25

ミッドナイトスワン

草なぎ剛さん主演の「ミッドナイトスワン」という映画を知っていますか?
トランスジェンダーの女性とバレエを題材にした内田英治監督の映画です。
最近、劇場で見てよかった映画は?というようなハッシュタグを眺めていたら、「ミッドナイトスワン」と答えている人がいて「わたしもだ!」と思ったもので。
最近、いろんな話題となっているLGBT……トランスジェンダーの女性を草なぎ剛さんが演じているのですが、演技が本当にすごくて……。
映画を見始めて、はじめて草なぎさん演じる凪沙(なぎさ)を見たときは、正直……男にしか見えないというか、草なぎ剛さんにしか見えないと思いました。
だけど、映画を見始めてしばらくすると、凪沙という女性にしか見えなくなってくるんですよ。
その優しい眼差し、仕草…もうそこには草なぎ剛さんの面影はなくひとりの女性がいるんです。
その演技力もあって、とても重い難しいテーマを扱っているのですがどんどん引き込まれて、最後は涙で前が見えなくなりました。
映画を見終えて、しばらくは圧倒されてしゃべれず動けずにいると、まわりの観客もみんな同じ感じでした。
派手な映像技術があるわけではなく、トランスジェンダーという重いテーマの扱い、万人におすすめできる映画ではないですが、わたしの中では間違いなく映画館で見てよかった素晴らしい日本映画でした。
その後、小説も買って読みました。
映画では語られてない、少し明るいストーリーが追加になっていてよかったです。
こんな話してたら久しぶりに見たくなってきました。レンタルしようかな。

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