9月 29

趣ある坂を訪れました

情緒溢れる街を訪れると心が和むものです。数週間前、平日の昼下がりに昔ながらの風情が残る「坂」を訪れました。都会のビルが並ぶ中でそこだけ時間がゆったりと流れており、歩いているだけでそれを楽しむことができました。その坂を歩いていると、トンカツやカレー屋、昭和の名残が残る小料理屋がありました。また老舗和菓子屋が存在感たっぷりに佇んでいたのでした。季節のお菓子、美しい生菓子などどれも美味しそうで素敵だったことを思い出します。どのお店も魅力的でしたが、最も心惹かれたのは喫茶店でしょうか。ログハウスを思わす作りで外の看板にはオススメメニューが書かれており、見たからにヨダレが垂れてしまいそうなBLTサンドの写真は胃袋を刺激したものです。また店内も静かに一人で食事をしている方々も多く、読書をしながらまったりできると感じました。そこはこの坂の近くにあるお気に入りの喫茶店に風情が似ており、必ず再来しようと心に誓ったのでした。
一人でコーヒーを飲む時やランチを食べる時、読書というキーワードは重要なポイントになります。ドリンクの相方として本は手放せないからです。またここを訪れることができたら、買い物をしながら、読書をしてゆったりとした午後のひと時を過ごそうと考えています。

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9月 09

鉄道と駅と街

当たり前のようにいつも使っている電車。日常に溶け込み過ぎていて今までじっくり考えたことはありませんでしたが、一本の長編小説に出会ったことで少し意識が変わったような気がします。電車が走る線路、乗客が利用する駅、そこには人々に根付いた街があることを改めて知ったのでした。また鉄道と供に発展し政策により衰退を余儀なくされてきた街を舞台に、そこで暮らす住民らの人生が色濃く映されたストーリーは何とも言えない温かさを与えてくれました。駅を利用する者達にはそれぞれの暮らしがあり、そこには様々な思いや背景が存在します。こうしたことから都市には生命の息吹が注ぎ込まれていると感じます。駅もまた乗降客の暮らしと密接に関わっており生き様が宿っていることを考えると、自分が住んでいる街に対して愛情を持つことにも繋がりました。
人生とは例えるなら線路のようなものなのかもしれません。始発の電車に乗り終着駅を目指して時には特急のように速く、また時には鈍行列車のようにゆっくりと足を進めながら私達は「死」というゴールに向けて歩んでいると思うからです。鉄道への親近感を持つきっかけとなった小説との出会いは、日々の暮らしを濃密なものにするための気付きを与えてくれたように感じています。

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8月 18

香りの歴史からハーブを学ぶ

先週末美容院に行って来ました。痛んでいた毛先で少々憂鬱だった気持ちが一喝できて、最近気分も軽やかになったように感じています。私は美容室に行くとここぞとばかりに雑誌を読むことにしています。施術中に退屈しないように用意された雑誌の数はたくさんあるので、出来る限りくまなく目を通すように心掛けているのです。その時間はファッションについて学ぶことに全力をつぎ込んでおり、美容師さんとの会話もしながらかなり楽しくて有意義な時間を過ごすことが出来るのもなかなかよいものです。
さて先日訪れた際に読んだ雑誌からちょっとした豆知識を得ることができました。それは香水についてのことでした。商品紹介はもちろんのこと香水の歴史が書かれていて、とても面白かったです。特に印象に残ったのは中世ヨーロッパのことです。当時インフラが発達していなかったこともあり、強烈なアンモニア臭が街をただようことで死に至るケースもあったとのこと。そんなことがあり得るのかと疑りましたが、今から何千年も昔のことなので現代の常識はまだなかったのでしょう。こうした環境から人々を守るために修道院や教会では医療や衛生面の手助けをしていたそうです。その方法としてハーブを使った殺菌をおこなっていたことを知ったのでした。現代では食にもリラクゼーションにも利用されているハーブですが、殺菌ということはあまり意識していなかったため新しい発見でした。植物性のため体にも良さそうですし、香りのフレーバーもたくさんあるので気分によって楽しむことができるのがハーブの魅力だと思います。美容室で読んだ雑誌をきっかけにハーブのことをもっと知りたくなりました。

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7月 20

良い出会いは人を救う

誰かに無性に腹を立ててしまうことがあります。その感情は、相手のことが好きであればあるほど複雑に絡み合ってしまうものだと思います。
数日前に読んだ小説には、やり場のない怒りを抱えながら暮らす女性が描かれていました。物語の背景には、親友と共同経営していたカフェを意見の不一致が引き金となり辞めたことが描かれています。長い間同士として切磋琢磨しながら共に営んでいたカフェがおしゃれなファッションビルに出店することをきっかけに、オーナーの座を降りざる負えなくなったのでした。無職となった女性は日々細々と暮らし、食事を切り詰め、心に浮かぶのは共に働いていたもう一人の経営者のことばかりです。どうにもできないわだかまりを抱きながらも、生きてゆくために今までの経歴とは全く違うアルバイトを始めます。そこで働くスタッフや仕事を通して少しずつ自分を取り戻しながら、親友であった女性への怒りが収まり、気持ちが安定してゆく様子が描かれていました。心の描写に触れながら「他者のことを受け入れることはまず自分を許すこと」だと感じました。この女性は自分に厳しいからこそ、他者に求めるハードルも高かったのかもしれません。しかしながら今までとは違う環境に身を置くことで、自分の気持ちをゆっくりと受け入れてゆくところにとても共感が持てました。そしてカフェで働いていた時に培ったことは、仕事にしなくても誰かを幸せにすることを知るのでした。
人との出会いは生きることに大きな影響力を与えるものです。決してよい出会いばかりではないかもしれませんが、話をしながら価値観を共有することで救われることもたくさんあります。もしこれから先、生きることに迷ってしまったら勇気を出して一歩前に踏み出てみようと思います。前進することでもたらされる出会いは、人生の大きな糧になると感じるからです。

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7月 05

文豪ゆかりの宿に泊まりたい

今は亡き文豪が愛した土地、また小説の舞台となった町に強く惹かれることがあります。その土地を知ることは長い年月に渡って読み継がれている小説を生み出した作家達がどんな人生を送ったのかを知ることにも繋がります。全てを知ることは出来ませんが、人生の一部を垣間見る事は作家への愛着をより一層深いものにすると思います。
先日知人からいただいた文芸誌を読んでいたら、とても興味深い記事を見つけました。そこには私が思いを寄せる文豪が泊まった宿が紹介されていました。老舗という言葉がふさわしい趣ある建物と、海に近いため美味しい食事をもてなしてくれる場として今でも人々に愛されている旅館でした。愛する作家が好物としていた「牛鍋」もいただくことが出来るようで、私もこの宿に泊まってみたいと強く感じました。また作家の名前が付けられたコース料理は写真からみても素晴らしく豪華で食欲をそそります。今まで小説や随筆などから様々なグルメを学んできました。この記事もまた「生涯一度は食べてみたい料理」として大切に心に刻まれたのでした。
今住む街から遠く離れたこの地を訪れる機会があれば、是非とも宿泊して美味しい料理に舌鼓したいと考えています。その時にはカバンにこの宿が舞台となった小説を忍ばせ、当時のことを思い描きながら読むのも乙だと感じました。

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6月 20

品のある女の色気に昭和は良く似合う

昭和を描いた小説を読んでいると心が和みます。そんな風に感じるようになったのは、年を重ねた証拠からもしれません。私の中では昭和とは古き良き時代で、どこか懐かしくて小説に登場する者達は苦楽を味わいながらも人情深いのが特徴です。そんなことを抱くのは私自身がこうした物語を積極的に読んできたからかもしれません。
先日読んだ小説はそんな味わい深さが凝縮された作品でした。放浪癖が消えない父は主人公の10代の女性とは別のところに住んでいます。そこへ母に頼まれてお金を持ってゆくことになったことから物語は始まります。芸者小屋や名画座などが立ち並ぶ町に住む父の元へ辿り着き、ドアを叩いたら知らない若い女が出てきました。その人は父の同棲相手ですが、とても手厚い歓迎を受けます。しかしながら当の父は嬉しい気持ちを上手く表現できずに、せっかく再会したにも関わらずその家から出て行ってしまうのです。一度は家路に着こうとしたものの、夜遅くまでその女性と供に今まで味わったことのない時を過ごします。女性の上品な色っぽさと美しい絵柄の皿に乗せられた水菓子、隣の家から聴こえる三味線の音など今まで知らなかった大人の世界を知ります。
この作品を読んでいると私もこんな色気と魅力あふれる出会いをし、粋な時間を過ごしてみたいと感じました。親との複雑な関係は心痛むところもありますが、10代の若者にとってこの出会いはとても大きなものになったと思います。そして昭和というスパイスはより一層小説の魅力を掻き立てたのでした。

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6月 06

おしゃれの極意を学びながら生きたい

腕にたくさん付けたブレスレットがジャラジャラと揺れる音が好きです。ブレスレットが大きくてたくさんあればあるほど共鳴してよい音になります。こんな風に思う理由は女性らしさを感じるからかもしれません。それらが派手でカラフルで奇抜なデザインなら尚更私の心は魅了されるのです。
さて先日ファッションアイコンとしてアメリカで人気がある94歳の女性のドキュメンタリー映画を観ました。この作品の主人公の服装は派手で独特のセンスを醸し出しており、とてもおしゃれなのです。また腕や胸にたくさんのアクセサリーを纏っておりどれも大振りで目にしたことのないものばかりでした。また彼女が持っているファッションアイテムは高級ブランドのものもありますが、骨董市やフリーマーケット、若者向けの店で安い商品を購入することも多いのに驚きました。ただ買うことを目的としているのではなく、購入したアイテムをコーディネートしてファッションを楽しんでいるところに好感が持てました。そして「おしゃれを楽しみたい」という願望を私の心の底から湧き上がらせてくれました。しかしながらどんなに洋服が好きで欲しいものがたくさんあっても、お財布の限度額は限られているため物欲と現実のギャップにもがくことも経験してきました。でも自分に見合った経済力でファッションを楽しむことは幾らでも出来るはずです。映画の主人公は現役でお仕事をされており知名度もあるため洋服やアクセサリーにたくさんのお金を掛けることができると思いますが、彼女の買い物術からは安いものと高価なものを上手にゲットすることを学ぶことができます。おしゃれ上手になるための極意として、自分に似合う物を選ぶこと、金額に左右されずに逸品を探す目を持つことが必要だと強く感じました。年齢を重ねてもずっと好きな服を着てゆきたいからこそ、学ぶことはまだまだたくさんあることをこの作品は気付かせてくれたのでした。

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5月 22

また食したい老舗甘味処の粟ぜんざい

ある初冬の週末に由緒溢れる街にある甘味処を訪れました。昔から文豪達にも愛されてきた店で、一度はここの和菓子を食べたいと思っておりました。立ち寄ったのはたしか金曜日の夕方だったと記憶しております。老若男女問わず様々な年齢層の人々が、ぜんざいやあんみつを食べていたことが思い出されます。私は冬季限定の粟ぜんざいをお持ち帰りで購入して家路に着いたのでした。レンジで温めて夕飯のデザートとしていただいたところ、大変美味しくてとても幸せな気分になったことを覚えています。粟のもっちりとした食感と、甘すぎずでも濃厚なこしあんは外の寒さを忘れさせてくれるように体を暖めてくれました。
なぜ今この店のことを思い出したかというと、先日読んだ短編小説に登場していたからです。昭和を舞台にした作品に、あの店のあんみつが奥深い趣を与えていました。今までこの作品の著者が手掛ける小説を幾つか読んできましたが、どれも粋で大人の色気を感じるものが多く、まだまだ未熟者の私はいつも「こんな生き方があるのか」といい勉強をさせていただいております。そのため勝手ながら著者へ心からの憧れを抱いているのです。また足を運んだことがある店が小説に登場することで、作品がより身近に感じられるのも嬉しいものです。そしてあの初冬に食べた粟ぜんざいが恋しくなり、今無性に欲しております。
いつかまた粟ぜんざいに再会することができる日を胸に、これからもたくさんの小説を読んでいきたいと思います。同時に美味しいものを貪欲に追及していこうとささやかな欲望を抱いているのでした。

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5月 08

地下鉄に乗りながら読みたい本

ファッション雑誌に載っていたとても面白い記事を見つけました。それは「地下鉄で読みたい本」を紹介したものでした。ファッションブランドのエディター、小説家、芸人、ミュージシャンなどが「これ」という一冊を挙げており、どれも至極のチョイスだったように感じます。また何故この本を紹介したかの解説も書かれており、「この気持ち分かるかも」と思ったのでした。
例えば海外の作家が書いたSF小説です。シニカルでユニークな作品らしく外が見えない閉ざされた空間を走る電車にぴったりの作品のように感じました。小説の紹介文を読んでいたら私も無性にこの本の世界に浸りたくなりました。またある人は電車に乗っていた時に小学生の女の子が食い入るように読んでいた児童書を挙げていました。私も小さい頃に図書館で借りたことがある物語だったので、とても懐かしく思ったものです。
電車で本を読むことは多々あるものですが、走る空間によって作品を変えるという意識は持ったことがありませんでした。そのためこの記事はとてもユニークで斬新だと感じました。
都心部にはとにかくたくさんの路線が走っています。特に地下鉄は土の中に存在するまるで小宇宙のようなイメージがぴったりだと感じます。外の風景を見ることができないためどこを走っているのか分からないけれど、目的地には必ず辿り着く乗り物である地下鉄。今後乗る機会があれば私もSF小説を片手に物語の世界をじっくりと味わいたいと思います。

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4月 23

小説にも登場する象という動物

動物園に行くと私は決まって象がいる檻へ向かいます。何故だか分からないけど大きな体と長い鼻とグレーのボディに心惹かれるからです。でも最も好きな所はあのつぶらな瞳かもしれません。あの巨体に似合わない位に小さくて愛嬌ある目を見ているととても気持ちが落ち着くのです。そして長い鼻で美味しそうに食事をするところもまた魅力的だと感じます。あんなに強そうなのに草食というところは一段と愛おしさを与えてくれるたりもします。
今まで読んできた小説にも幾度か象が登場してきました。戦時中の動物園を描いた悲しいお話であったり、SF小説に描かれた架空の街の公園にいる設定であったりもしました。これらの作品で優しくて人の心に寄り添うように描かれていたことを感慨深く思います。特に公園の滑り台として登場した小説では誰も知らないうちにそこからいなくなっていたエピソードが語られており、「像の墓場」へ向かったと表現されていました。この作品を読んだ時切ない気持ちになりましたが、ひっそりと姿を消して自分が向かうべき場所へ足を進める生き方が素敵だと感じたものです。
物語に登場して色々なエピソードを披露してきた象ですが、彼らがどんなことを考えて生きているかは分かりません。でも巨体を揺らしながらのんびり歩く姿は、忙しなさに憤りを感じ、理不尽なことに振り回されることを余儀なくされる人間にとって、安らぎと優しさを与えるのかもしれません。動物園に行くことがあればまた彼らがいる檻の前に立ち、ゆったりとし佇まいをじっくりと眺め続けたいと思うのでした。

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