昼間とは思えない空模様の日に

先日、仕事中に用事で外出したんだけど、あいにくの空模様でした。昼間とは思えないほど薄暗くて、空からは幾筋もの雨が落ちてきていました。ザーザーと激しく降っているのではなく、耳をすませば雨音が聞こえるような感じだったから、余計陰気な気持ちになるんです。もちろん外出するには土砂降りよりはマシだと自分に言い聞かせるんだけど、テンションは下がりっぱなしです。歩道のくぼみには、いくつもの水たまりができていました。だから、足元にも気をつけないと水をはねてしまってパンツにシミが出来てしまいます。憂鬱に思いながら歩いていたら、目的地の近くに公園がありました。小さな池があってベンチも見えます。それこそ、晴れていれば最高の癒しの場です。でも、雨の中ではひっそりと息をひそめているように感じました。でも、その風景をみていたら、どこかで見たことがあるような……って思ったんです。いつ、どこでこれと同じような風景を見たんだっけ。あ、そうだ。思い出しました。以前に読んだ小説の始まりのシーンです。主人公の男の子がそこで一人の女性と出会うんです。そうそう、こんな公園だったな……って、実際に見たわけでもないのに、勝手に納得してしまいました。すべては、小説の文章からの私の勝手な想像なのに。でも、その物語を思い出したから、帰り道はその風景を楽しめたんです。ちょっとしたことで気分って変わるものですね。

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