一冊の本から知る生きるということ

どこか遠くへ旅に出たいと思うことがあります。そんな思いが湧き上がる時は、今の自分に変化が欲しいという感情が頭のどこかにあるものです。
以前図書館を訪れた時にノンフィクション作家である女性が書いた作品を借りました。この書籍はアジアの国々を旅しながら、出会った人々を取材したものです。マニラやビルマなど今まであまり知ることのなかった国を知ることもできて、面白かったです。そしてとても印象に残ったことは、著者の取材や旅に対する心意気でした。マニラではスラム街と言われる地域にも足を運びそこで暮らす日本からきた男性についても取材をしています。治安があまりよくない町に足を踏み入れ、現地の人々とも心通わし仲良くなれるところは作者の才能なのだと感じます。また取材した日本人男性の生き方もすごいものでした。バブル全盛期に会社を起こすも倒産してしまい多額の借金を追い、辿り着いたところがフィリピンだったのです。現地の女性達に面倒をみてもらいながらの彼の暮らしは決して日本では経験できないものだと感じます。しなくてもいい苦労を担いでしまったように感じますが、この国の人々に魅了されたからこそ、フィリピンで生活していることを知ったものです。
今の自分に変化をもたらしたいがために借りた一冊の書籍から、見ず知らずの男女の生き方を垣間見ることができました。どこで生きたとしても、暮らしていくことは大変なのだということを身に染みた私は、また明日からもここで踏ん張ってみようと気持ちを改めたのでした。

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