深みにはまってしまうワルい人が主人公の小説

古本屋で1冊の単行本を購入しました。私は定期的に品揃え豊富な古本屋に買い物に出掛けます。以前から気になっていた小説やエッセイ、今まで知らなかった作品など豊富な品揃えのあるお店ならではの発見が出来るからです。先日購入した書籍は罪を犯した女性が主人公の長編小説でした。裏表紙に書かれたあらすじを読んでとても惹かれたので購入してみました。読み始めると止まらなくなるくらい面白くて毎日読書の時間が楽しみです。刑務所で過ごす裏社会と繋がりがある主人公の悪女ぶりと怖さは今まで読んだ中でも5本の指に入るほどの強烈なキャラクターとなっていました。どんな悪いことをしても人であるためどこかに善の心があるのではないかと思うのですが、そんなものは微塵もないようです。正直言ってしまうと、このようなお方には関わりたくないものです。しかし主人公は美しさと魔性を兼ね備えたワルです。男も女も危ないと思いながらこのワナにどっぷりとはまってゆくのです。例えるのであれば、そのワナは甘い物ではなくて苦くてドロドロとした味わいといった感じです。そして読んでいる私もいつの間にか怪しい人格に魅了されていくのが手に取るように分かります。昭和から平成へと変わりゆく時代を背景に繰り広げられる男と女の色目かしい物語は大人にぴったりなビター蜜の味だと思います。この小説を読み終えたら、また面白い書籍を探しに古本屋へ足を運ぼうと思います。

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