憧れの先輩

先輩、後輩っていう意識が出て来るのってだいたい中学生からですよね。部活などでは特にそんな社会がそこにありました。そして、なぜか先輩には憧れるんですよね。部活やバイトなどでは、何でも出来てカッコいいですから。私も中学生のときの部活には憧れの先輩がいました。ドキドキキュンキュンしながら見つめていましたっけ。彼がいるから部活が楽しかったんですよね。思春期のそういう時期って、今になって思えばすごく感性豊かだったなぁって。ノートに次から次へと溢れ出て来るように詩を書いていたんですもの。前に片付けをしていた時に、中学の時のノートや日記を見つけたことがあって、中を見てビックリだったんです。大人になってしまった今では、こんな詩は書けないなって思いました。気づきも多かったし、心の針の振れ方がすごく繊細だったんです。
この前、読んでた小説にも、主人公が憧れている先輩と会話をする場面があったんだけど、心の中を悟られないように装うところなんか、昔の自分を見ているようでした。いつのまにか忘れてしまっているそんな感情がなんだか懐かしくて、小説を読んでいても微笑ましくて、自然と笑みを浮かべてしまっていました。今では、先輩、後輩というよりも上司、部下、同僚という意識になってしまっています。だからか、その響きが私をなんだか甘酸っぱい気持にさせてくれるんです。

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