その怖さは想像できない

世の中には一般公募でも色んな文学賞があります。純文学からライトノベルまで。その内容だって、恋愛小説からミステリーやホラー、ファンタジーまで様々です。そして、受賞作はその講評を読んでみて、「これ絶対に読んでみたい」って思うものも多いです。でも、先日、紹介されてた本は表紙のイラストがかなり不気味で、それだけでも、それが恋愛小説やファンタジーではないことがわかりました。その著者は、以前から相当奇抜な発想の小説を書いているらしく、その内容やグロテスクな描写にミステリー大賞の選考委員が眉をひそめたと書いてありました。あまりに衝撃の内容のせいで、落選したということでした。小説の内容もだけど、ある意味、その事実が衝撃的です。記事には内容についての解説もあったけど、とてもじゃないけど私には口にすることもできないようなものでした。そんなストーリーを考えることが凄いなって思ってしまいます。けど、誰もが思いつくようなことでは、読者を惹きつけることはできません。想像や空想、虚構の世界に入り込めるのが小説の魅力なんですもの。そこに関わってくる人間の深層心理というものは、時には物凄く恐ろしいこともあります。デビューしてからも、彼の作品の路線は変わっていないんです。でも、そこに紹介されていた本は、ただグロテスクというのではなく、『実に良くできたミステリー』だと、かなりの高評価でした。講評を読むと興味は湧いてくるんだけど、私には読む勇気が今はとても持てそうにはありません。

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