心から憧れる映画のヒロイン

私の心に強く残る憧れの女性がいます。この方は60年代の日本映画のヒロインです。初めてこの作品に出会ってから長い月日が経ちますが彼女をふと思い出す時、不思議と強いパワーが湧いてくるものです。ヒロインは気風がよくて美しく芯の強い女性です。しかしながらうだつの上がらない甲斐性なしの男性ばかりを好きになってしまうところがあり、少々危なっかしいところもあります。お金持ちやインテリジェンスな青年実業家などから心を寄せられても自分が好きになった男性を一途に愛し、その結果辛いことが起きてもそれをバネに凛と生きるところは潔くて素敵です。そしてもう一つの魅力は、大切な人達を傷付けるやから達を許さず立ち向かうところでしょうか。まさに真っ向勝負という言葉がピッタリのシーンは見ていて惚れ惚れします。また怒りが頂点に達した時、まるで般若のように見えたことも印象的でした。その表情を観た時、以前男性作家が書いたエッセイに「美人は怒らせると怖い」という内容のものがあったことを思い出したものです。この映画の監督も男性です。そのため美しい女性が怒りに満ちた時の怖さを知っているのかもしれません。しかしながら一生懸命に誰かを愛し、大切な人を守るために怒れるところからは深い優しさと人間味を感じます。だからこそこのヒロインがいつまでも私の心の中にあり続けるのだと思います。

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